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三十三話

次元航行艦アースラ艦内に、戦慄が走った。
それは、休暇中(実際は有給扱いであることを彼らは知らない。というかアースラを私用している時点で艦長及び執務官艦長代理は気付いているので現場待機のようなものであると上には説明している)の彼らを一気に現場の空気に戻すほどの衝撃であった。

「艦長!魔力反応です!」
「映像は?」
「今、海鳴市に待機させていたサーチャーを反応があった場所へ回しました。
 映像、出ます!」

艦内に大きなスクリーンが映し出される。
そこに見えるのは、破壊された結界。そして、炎を纏う白き閃光であった。
崩れゆく結界から現れたのは、赤いドレスのようなものを纏った鎚を持った少女と、身の丈の二倍ほどもある巨大剣を背負い、炎を身に纏う金髪の少女。

「何者だあの子たちは……」

クロノがその表情を歪ませながら独り呟いた。
魔力量、そして、散らばる白い焔が夜に幻想的な景色を作り出す。
しかし、その二人の表情は険しいものになっている。
それもその筈だ。彼女たちは執務官である彼を凌ぐ高速戦闘を繰り広げていたからだ。
さらにそこにエイミィの言葉が飛んだ。

「結界内になのはちゃんの反応を察知しました!
 衰弱しています!」
「なんだと!?」

クロノは驚愕した。
確かにあの少女はまだ魔導士となって数か月の素人であったが、持ち前の才能と魔力量、そして根性で、並大抵の相手には負けることすらないはずだ。
その彼女以上の相手が、この辺境の管理外世界に現れたというのだろうか。
だとしたら、この世界はなんてトラブルメーカーなのか。

「あ!?」
「今度はなんだぁ!」
「なのはちゃん、さらわれていきます」
「おォォォォォォォォォォォォォォイ!!!?」

どこいくねーん!と、とりあえず回収に向かわせた武装隊の声を背に、赤い少女はどこかに消え失せ、大剣の少女はなのはを担いでどこぞに飛んでいってしまった。
しかも、ありえないほどのスピードで。
あれほどのスピードではおそらく武装隊の中で追いつけるものはいないだろう。
いつでも出れるように待機しておけといっていろいろ準備していた隊の皆様の苦労が水の泡である。

「炎の翼に大剣の少女……赤いゴスロリドレス(?)のハンマー少女……どっちかでいいから探知できる?」
「赤い方はちょっと無理ですね。
 どうやら彼女、連続転移で行方をくらましています。
 おっきな剣の彼女は……ただ速いだけなので追尾は可能です」
「そう、じゃあ彼女を追ってちょうだい。
 なのはさんにもお話を聞きたいし……なにより彼女は異質の存在ね。
 転移しないところを見ると、この世界の住人のようだし……どうやってあの剣を手に入れたのか聞かなくちゃ」

リンディの経験上、あの剣はロストロギアに近いものがあると見ていた。
白い炎を発する純白の巨大剣。
恐らく、関わっているのは……。

「幽亜君、貴方なの……?」


武装隊は、既に少女を追跡し始めていた。
























―――――テスタロッサ家


「封鎖結界、かなりの威力の砲撃魔法、ベルカ式を使用する騎士甲冑らしきバリアジャケットを纏う少女たち、幽亜勇の失踪、管理局の介入、そしてアリサちゃんの魔道士化……」

プレシア・テスタロッサはモニターの前でぶつぶつと独り言をつぶやいていた。
モニターに映るのは数々の映像。
赤い少女の張った封鎖結界、それを貫く高町なのはのスターライトブレイカー、横たわる緑衣の少女と狼、桃色の髪をもつ騎士、管理局の武装局員、そして、プレシアの娘が以前に遊んだことのある少女、アリサ・バニングスが巨大剣と高町なのはを担いで飛んでいく姿。
傍らに控えるリニスもであるが、プレシアは心配そうに見ていた。
彼女は、大魔導師と謳われるその能力を遺憾無く発揮し、無数のサーチャーを街中にばら撒いていた。
どうにも、きな臭い匂いがこの街に漂っている。そう感じたからである。
そして、それがおよそ現実のものとなってしまった。
その結果が今現在街で起こっていること。
高町なのはを襲撃するベルカの騎士らしき少女。
現在お隣で生活しているはずのユーノ・スクライアを襲った二人組の男女。
プレシアの情報によれば、昨今次元世界で魔法生物が襲われる事件が起こっているという。
彼女たちは、それに関わりがある。そして、幽亜勇にも。
それが、プレシアの見解だった。

「フェイトやアリシアにその手が及んでないというのが幸いね……」

本来であれば、城からの転移時に膨大な魔力を発したプレシアの方に矛先が向くことになるだろう。
だが、彼女らはそれをしなかった。ということは、自分を後回しにしているのか、それともただ厄介な存在としてみているのか。

「あの子は本当にどんな存在なのかしら」

彼女は幽亜勇に感謝を覚えると共に、怪訝な目を向けていた。
ひとつ、彼ほどの年齢の少年が、何故一人暮らしなどしているのか。
ふたつ、およそ人間ではありえない彼に内包される魔力量。
みっつ、その年齢では考えられない思考能力。
よっつ、常識では考えられないほどのレアスキルの多さ。
だが、そんな中でも二つほど気になることがあった。

それは、彼のデバイスと、彼の好かれ具合である。

彼のデバイス“アビス”と“イモータル”。
黒と紅の眼球のような耳飾り方のインテリジェントデバイスであるが、その機能は多岐にわたる。
独自で使用者の魔力を使用し、インプットされている魔法を放つ。そして食べたものをデバイスの中に存在する変換機構で魔力に変換する、所謂魔力のカートリッジをデバイス内の圧縮領域に保持。魔力を必要としないその変形、いや、変態と言うべきだろうか。双眼鏡から、日用品にいたるまで、ありとあらゆるものに変化する能力。
そしてなによりも、その人間臭さが一番の疑問であった。
本来、インテリジェントデバイスが彼らのように人間味を帯びた性格などが形成されるのには、持ち主との長い触れ合いと、時間。そして経験が必要なのである。
それを加味したとして、彼のデバイスは異常なまでに人間のような振る舞いをするのだ。
彼のデバイスの調整を、ほんの少しであるが任されたプレシアはその異常性を理解していた。

次に、彼のその好かれ具合。
アリサによれば、彼は同じ塾の生徒だったらしい。
それから、学校にはあまり来ず、塾にも時々来る程度だったらしい。
だが、そのクラスの生徒にはそこそこに一目置かれていた。
理由は、全くわからない。彼の得意教科の家庭科での料理スキルがあったとしても、そもそもの話学校に来ない人間をどうやって好いたらよいのだろう?
だが、それが実際に出来ている。彼はクラス内においてそこそこの評価を得ることに成功している。

「アリシアを治してくれたことには感謝してる……フェイトの友達であることも理解してる……。
 でも……」

幽亜勇は、一体何者で、何が目的で、そしてどんな存在なのか。
彼女の心に、疑念が生まれつつあった。













「ん?
 どうかしたん?」

「なんでもない?
 そう?そんならええんやけど……」

「みんな帰ってけえへんなぁ」

「……へへ、慰めてくれるん?」

「大丈夫、なんも心配しとらんよ」

「勇君も、みんなも、すぐに帰ってくるよ」

「だから私たちは待ってよ?」

――――な?闇の書?


闇の書は、ただ主の膝の上で待ち続ける。
魔力が貯まる時を。主の覚醒の時を。


























まぁつまるところ繋ぎ回ですね。
苦し紛れにこんなん書きました。

あ、そういえば私のこの小説の目次的なところにいっぱい拍手くれてありがとうございます。
35回とかきてました。
序盤を見返してみるとすごいですねこの作品。
いやーすごいなー。何がすごいって文章量がね。
一話とか二話とかすげえ少ないっすよ。
まぁここまで文章量多かった話なんてないですけど……。
しかも雰囲気がもう変わりすぎ!主人公がいないとこんなもんですかね?

いつになったら終わるかなぁ。
当分終わりそうもないですね。でも頑張りますよ!
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三十二話

幾度となく交差する剣閃が夜空を白く、赤く染めていた。
白い炎が空を舞い、赤い光が宙を翔ける。
それを悔しげに見つめながら、高町なのははひたすらに回復へと勤めていた。

「レイジングハート、まだ?」
『今しばらくお待ちください。
 消費した魔力も、そしてなにより、マスターの傷を癒すことも、何も終わってません』
「でも、アリサちゃんが!」

焦っている。
なのはの友人が今、自分のために戦ってくれているのだ。
行って助けなければ。

『それよりも、通信が届きません。
 どこかから通信妨害がかかっているようです』
「それは……つまり、あの子がやってるってこと?」
『いえ、この結界をはったのが彼女であることは恐らく間違いではありません。
 ですが、この結界自体には通信妨害はありません。彼女の肩にいるあのぬいぐるみが発生させている可能性はありますが、彼女の援護で精一杯と思われます。
 おそらく、協力者のものかと』
「他にも、私たちを狙ってる人がいる……ってことだね」

なのはは緊張を隠せない。
どこかにもう一人、自分を狙ってくる人間がいる。
それを考えるだけでも恐怖が体を支配していく。
どこかから自分を狙ってくる者がいる。それは何故、どうして、いつ、どこから狙ってくるのか。
その不安が、なのはの成長を促していた。

「レイジングハート。
 見つけるよ、その協力者さん」
『?
 マスター?』

レイジングハートを通して魔力を巡らせる。
エリアサーチは、サーチャーと呼ばれるものを飛ばすことで視界を増やす探査魔法である。
如何にもなそのサーチャーは、優れた魔導師が見ればすぐに自分が見つけられたと警戒する。
できることなら、警戒すらさせず、こちらを意識することなく。
静かに、そして一瞬で終わらせるために。

「できるだけ小さく……確実に、魔力ダメージで仕留めるには……」

模索していく。
そうして出来上がったのは一つのスフィア。
大きさはおよそ人差し指の先ほどのピンク色のスフィアは、くるくると回転しながらなのはの周囲を回っている。

「付き合って、レイジングハート」
『Of course my Master』

レイジングハートがバスターモードへと変形する。
そのトリガーを、なのはの小さな手が握りしめる。

「探して、私を狙う敵を」
『Move search』

動くものすべてを捉える魔法。
ムーブサーチが広がっていく。
何物にも悟られぬ微弱な魔力波。故に、わずかな動きにも離散していく波が、結界を駆け巡っていく。

「これは、ヴィータちゃんとアリサちゃん……ほかには……」

荒々しいその戦いを除外し、波を進めていくなのは。
そして、一つの反応を見つけ出す。

「息をしているような動き……。
 多分、魔力を隠ぺいするためのちょっとした結界……ここかな?」
『恐らくは』

愛機の反応に、なのはは確信する。

ここに、私を狙ってくる人がいる……!

「ユーノ君の転送魔法、勇くんのドレイン、クロノ君の魔力操作……全部束ねて……!
 この魔法……!」

魔力によって研ぎ澄まされたスフィアはレイジングハートの先に止まると、その自転を速める。
そして、レイジングハートの前に展開されるのは、ほんの小さな、スフィア一つ分がギリギリ入る穴。
その先には、先ほど感知した人間。

「ここから撃ち抜く。
 全部喰らいつくして!
 ブラスタースナイプ!」

放たれる回転するピンク色のスフィア。
小さな転移のための穴を潜り抜け、彼女を狙う者を倒すために。































「あ、はやてちゃん?
 すみません、いつものオリーブオイルと鉱石がなくて……ちょっと遠くのスーパーまで買い物に出ます」
『そうなん?
 別に無理せんでもええのに……鉱石は買ってきたらあかん』
「帰りにほかのみんなも拾って帰りますね。
 なるべくはやく帰りますから」
『そんなに急がなくてもええよ?
 ゆっくり、な?鉱石はダメやで?』

主との連絡を終えて、シャマルが指先に魔力を込める。

クラールヴィント。
表だって戦うことのないシャマルの武器は、この四つの指輪のみである。
その本質は、癒しと補助。
しかし、彼女自身、攻撃手段がないわけではない。

「お願いね、クラールヴィント」
『Ja.』

既に標的の居場所はわかっていた。
通信の妨害を続けながら、魔力を隠蔽し、攻撃をする。
ヴィータには悪いが、少し耐えてもらおう。
闇の書は、いつのまにかヴィータのもとを離れ、彼女の傍らにあった。

旅の鏡は、湖の騎士シャマルと風のリングクラールヴィントによる転移魔法の一種である。
それにより、直接リンカーコアをぶち抜き、闇の書に蒐集させる。
それがシャマルの最大の攻撃手段。
見られてなく、さらにこちらに動いてもいない場合でなければ、この攻撃は間違いなく外れるのだが、それを成功させ続けているのが彼女、シャマルの実力を裏付けている。

『Pendal form』

指輪から二色の宝石が飛び出し、二本の魔力の糸が指輪の宝石をつなぐ。
ペンダルフォルム。二つのペンデュラムが指輪から伸び、円を描いた。
これが、《旅の鏡》。円形に囲ったその先には、ターゲットの体内へと通じている。

「早めに終わらせて……帰らないとね」

呟いて、手を鏡へと近づける。
そして、そのまま貫いた。





































「「え?」」














なのはと、シャマルの呟きは、ほぼ同時だった。
なのはの胸から手が生え、シャマルの胸には桃色の矢が突き刺さっていた。

シャマルの腕がなのはのリンカーコアを正確に捉えたように、なのはの新しい魔法、“ブラスタースナイプ”もシャマルのリンカーコアを捉えていたのだ。

「ぐっ……!」
「が……ッ!」

先に動いたのはシャマルだった。
シャマルは手元の闇の書を開く。

「しゅうしゅ……う……かいし……!」
『Sammlung』

闇の書のページがゆっくりと埋まっていく。
次に動き出したのはなのはの放った矢。
矢、“ブラスタースナイプ”は、なのはの魔法、“ディバインブラスター”を収縮し、回転させることで貫通力を持たせ、放った瞬間に回転する矢へと変化する魔法である。
“ディバインブラスター”と異なる点は、まず着弾地点が爆発しないこと。
そして、着弾地点から半径30cmに魔力を喰らうフィールドを形成すること。
それをこれにより、シャマルのリンカーコアから直接魔力を喰らい、その魔力を周囲に離散させているのである。

「あ……ぐぅっ……!」

なのはの口から苦悶の声が漏れる。
激痛が彼女の胸を襲っていたのだ。
それは、当然のことと言えた。

「まだ……まだ……!
 あと一つ……仕事が……残ってる……!」

レイジングハートを担ぎ上げると、収束を始める。
それは、彼女の切り札であるスターライトブレイカーの構えだった。

『マスター!?』
「撃って……レイジングハート……わ、私は大丈夫……だか、ら……!」

レイジングハートの抵抗を押し切り、レイジングハートに魔力を押し付けた。
周囲の魔力を集め、極大の魔力砲を放つ収束砲撃。
それを魔力を喰われながら放つのに、どれほどの集中力が必要になるだろうか。
苦痛に耐えながら放とうとしているそれは、“スターライトブレイカー+”。
周囲の魔力変換したあとの魔力をも収束することで、条件付きで魔力変換を可能にする。
チャージ時間が長いという欠点を、改善ではなく逆にチャージ時間をのばすことでさらなる威力を求めるなどの改造を施した収束砲撃。

「チャージ……開始……」
『10…9…8…7…6…5…』

レイジングハートが秒刻みにカウントをとる。
レイジングハートの先には、魔力が収束していくのがはっきりとわかった。

「そん、な……!
 こんな状態、で……砲撃だ、なんて……!」

シャマルは驚愕していた。
蒐集されながら、なおかつ自分に魔法を当てながら強力な収束魔法を放つことが、どれほど困難なことか。
それを、自分の主の同じぐらいの幼さの少女が行おうとしている。はっきり言って無謀以外の何者でもない。
それでも、彼女の魔力収束に迷いはなく、確実にこの結界を破壊し得る威力を持っていた。

「させな……い……!」

シャマルはさらに闇の書による蒐集をはやめた。
恐るべきスピードで小さい彼女から魔力を奪っていく闇の書は、そんな状況においても怪しく光を放つだけだ。
しかし、シャマルの努力も虚しく、レイジングハートは魔力の収束を終えた。

「スタァ……ライト、ブレイカー……タイプブレイズッ……!」

なのははレイジングハートを振り上げる。
先に収束している魔法には、アリサの炎熱変換が追加されていたのか白い炎をまとわせていた。

「ホーリー、フレア……!
 ブレイカァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

白き炎纏いし星の輝きが、結界を貫いた。




















































『……ごちそうさまぁ』

荒れ狂う炎の中、少年が一人荒地に立っていた。
周囲には、倒れ伏す管理局員達。
所々にやけどを残しながらうめき声を上げる彼らは、魔力を余すところなく喰い荒らされ、射撃魔法どころか飛ぶことすらかなわないほどに衰弱しきっていた。

『弱すぎ!
 お前ら弱すぎ!
 あんまり魔力たまんねーしよォ!
 クソだよクソ!管理局ってのもこんなもんかァ?』

少年は声を荒らげながらそばに倒れた局員を蹴り飛ばす。

『おい』
『あぁ?
 お、なんだよお前かよ。
 そっちは終わったのかァ?』

翼を持つ少年に声をかけたのは、眼を持つ足を持った少年。
肩を掴み、それ以上やる必要はないと諌める。

『こちらは終わった。
 この研究所のサンプルの魔力は全てもらったあとだ。
 データも二度と復元できないように破壊しておいたが……おそらくバックアップはあるだろうな』
『めんどくせェー!
 もうちっとマシな相手いねぇんかよ!』
『相手にこだわるな。
 俺たちはあまり時間がない』
『そりゃあお前みたいに知識への欲求でできてたらいいだろうがよ。
 俺ァそういうわけにいかねーの!戦いてえんだよ!』

少年はダダをこねるように地団駄を踏む。
それを足を持つ少年が呆れたように肩をすくめる。

『では、アイツはどうだ』
『アイツゥ?』

指をさした先。
そこには山に巻きつく巨大な蛇が鎮座していた。
この無人世界の主、“ヨルムンガンド”。

『いいね』
『だろう?』

足甲を装備した少年と、双翼をはためかせる少年。
二人は空へと翔け上がると、蛇に向かって各々の技を繰り出した。

『“五月闇”……“白雨(はくう)”!』
『“初嵐”!“稲妻”ァ!!』

蛇とふたりの少年の戦いが始まった。
































お待たせしました。
ようやくです。ようやく書き終えました。
作品はまだ続きますけどね。

その場その場で即興って辛い。
やっぱりある程度のプロットは必要ですね!
次の作品書くときは用意します!(用意するとは言ってない)










ホーリーフレアブレイカー
使用者 高町なのは

スターライトブレイカー+の魔力収束は、魔力変換後の魔力の残照をも拾い集め、己のものとする。
結果、アリサの放った魔力を収束し、この技が生まれた。
白い炎は対象を焼き尽くし、結界を食い破る。




ブラスタースナイプ
使用者 高町なのは

彼女のオリジナル魔法“ディバインブラスター”を小型化。
空間跳躍をする矢となる。
回転することで貫通力を押し上げ、薄い障壁なら貫けるほどの貫通力を持つ。
着弾した対象の魔力を勝手にバッテリー替わりにして周囲へと魔力を離散させる。
スターライトブレイカーによる魔力収束をやりやすくする目的もある。



ムーブサーチ
使用者 高町なのは

動くものを捉える微弱な波を放つ探査魔法。
微弱ゆえに、ほんの些細な動きさえも捉える。









白雨

夕立とも。
夏の夕方に急激に激しく降る大粒の雨のこと。

稲妻

遠い夜空に音もなく電光が走ることがある。
その閃光のことを指す。稲光とも。

三十一話

「アリサちゃん……その恰好……!」

目の前で背を向ける、赤い鎧に身をまとう少女。
彼女の親友、アリサ・バニングス。
身の丈の二倍はあろう大剣に、炎と靡くその金髪に、見惚れた。

「ちっ……仲間か……」

手元の本をどこかに転送し、デバイスを構えるヴィータ。
どこか安堵したような、しかし悔しげな表情。
それに対し、アリサは落ち着いた様子で微笑む。
大剣を肩に担ぎなおすと、刀身を中心に炎が巻き起こる。

「仲間?
 えぇ、確かにそうね。
 でも、それ以前に……
 















 友達よ」

鎚と大剣が、衝突した。
























































「探査魔法、開始」

星空のもと、緑色の魔力光が円を作り出す。
ユーノ・スクライアの探査魔法は、彼女の娘、ロストロギア“エルフェウロス”の力を借りれば、世界を超える探査も可能である。
その探査魔法を、惜しみなく使ってでも探し出したいものが彼女にはあった。

「…………今日もダメか……」

幽亜勇。
彼女の家の、本来の持ち主である。
現在指名手配中の彼女をかくまってくれた人物。

「どこにいるのかな……勇」
「大丈夫ですよ、お父様ならきっと大丈夫。
 気が付いたら家にいて、自分でご飯作って食べちゃってますよ」

根拠なんてどこにもない。
今、勇がどうなっているのかもわからない。
そんな中で、ただ信じることしか、できなかった。

「……っ!」
「封鎖結界、感知しました」

こんな真夜中にだれが?
魔力反応はなのはとも、フェイトとも、アースラの者たちとも違う魔力。

「もしかしたら、管理局の魔導士かもしれないね……」
「サーチャーを飛ばしましょう。
 できることなら、様子を探って、追跡情報を把握した方がいいかと」

魔力隠蔽のための小型の結界を解くと、魔力光が離散する。
緑色の光がふわふわと舞って、かなり幻想的だ。

「(勇の魔力光じゃこうはいかないもんね……)」

紅黒い魔力光では夜に映えるどころか、完全に保護色である。
しかし、彼の魔力光を見ると、ユーノはとても落ち着いた。
この家の地下にある隠蔽術式のための部屋がある。
その部屋は無数の魔法陣で埋め尽くされていて、魔法では決して見つけることのできない場所になっている。
その魔法陣は、常に彼の魔力光でぽうと光っていて、エルも、ユーノも、時折そこで休息をとったりする。

「さて……戻ろうか」

その時、ピクリとエルが動く。
光をまとい、メガネの形となってユーノの顔へとかかった。

『お母様、風の動きがおかしいです』
「風?」

ロストロギア、“エルフェウロス”の能力。
それは風を感じ操ることである。
演算処理、魔法補助に術式制御など、一般的なデバイスが持つ技術も、量産される管理局のものとは比べ物にならないくらいにハイスペックではあるが、彼女の真価はこの能力である。
周囲の索敵、温度変化、風による防壁など。
これらすべてを行使し、使い手を守るのがこのロストロギア“エルフェウロス”である。


『熱源を感知しました。
 お母様、後方に注意を願います』

そのエルが、警報を鳴らす。

「……ふぅ……」

溜息ひとつ。
魔方陣を展開。
緑色の魔力光があたりを照らす。
封鎖結界、ユーノの得意な魔法の一つ。

「エル」
『yes I mam』

封鎖結界を半径20mに展開。
戦闘において、被害が出ないように、ここから決して出れぬように強く、魔力を込めて張る。

「戦闘は得意じゃないんだけどな……まぁ仕方ないね。
 かかる火の粉は払わなきゃ」
『同感ですお母様』

眼鏡となったエルをくいっと直し、神経を研ぎ澄ませる。
どこから来るのか、ユーノにはもうわかっていた。
匂いがする。獣の匂いだ。
気配を消し、獲物を狙う獣の。

「……参ったなこれは……」

突然目の前に、青い狼が現れた。
いったいどういう仕組みだったのか、体の半分が透明になっている。
狼が光を放つと、次にあらわれたのは銀髪の青年。
犬耳と尻尾から、先ほどの狼の本来の姿であることが分かった。

「ここまですきがないとなると……正面から行かざるを得ん……!」

銀の手甲で覆われた拳を握りしめ、ユーノと相対する青年。
対してユーノは至って自然体で向いあっていた。
手はだらりと下げ、しかし目の前の彼に対する警戒も怠らない。

「……チェーンボール……」

ユーノがつぶやき、両の手から魔方陣が現れる。
そして出てきたのは二本の銀色の鎖。
先端に鎖と同じ色の野球のボール程度の鉄球がついている。

「タイマンは苦手なんだけどね……」
「苦手だとしたら好都合……あいにくこちらとしても手を抜ける状況ではない……。
 悪いが付き合ってもらおう」
「有無を言わさず……ってとこかな?」
「残念ながら……な」

互いに視線をかわす。
この獣の青年は、非常に厄介だと判断する。
身のこなし、構えの隙の無さ。
下手をすれば、ユーノが知る中でも上位に値する実力の持ち主だ。

「……はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「っ!」

青年が一気に距離を詰め、殴りかかる。
もともと近距離でも遠距離でも、防御以外の才能はあまりなく、攻撃の手段があまりないユーノ。
だが、今、エルフェウロスをかけた彼女は。

「っ!!」

鍛え上げられた肉体の青年の拳を、華奢な少女が受け止める。
はたから見れば、これほど異様な光景も少ないだろう。

「!?(この華奢な体のどこにこのような力が!?)」

ユーノは拳を手でつかむ。
押し出そうとしても押し出せず、かといって引けば反撃を喰らう。
少しの硬直の後、青年は語り掛ける。

「お前、名は?」
「ユーノ=スクライア。
 ただのお尋ね者だよ」

この年齢で、お尋ね者とは。青年は表情を一瞬ゆがませるが、すぐに元に戻る。
何をしたのかは知らないが、かなりの手練れである。

「私はザフィーラ。
 盾の守護獣ザフィーラだ」
「そうかい……じゃあ、自己紹介も済んだところで退いてくれないか……なっ!!」

魔法陣が腹部から現れる。
とっさに彼女から離れるザフィーラ。
いまさっき自分がいたところをみて、驚愕した。

「ありゃ、残念。
 力尽くで来てくれるものかと思ったけど……うまくいかないね」

鎖。
先端にナイフがついた鎖が、無数にその空間に静止していた。
あのままいれば、串刺しである。

「えぐいことを考える……」
「いきなり襲ってくる相手には十分だと思うよ」

そういえば今の自分は少女に襲いかかる暴漢となんら変わらないではないか。
自嘲気味にふっと笑うと、構え直す。

「ならば暴漢らしく、打ち倒す!」

鎖を掻い潜り、懐へ。
ザフィーラの戦闘スタイルは、カウンター、反撃による制圧が主である。
盾の守護獣という名の通り、魔法は防御と拘束にほとんどを割いている。
あとは身体強化の魔法をいくつか。
それだけで十分だった。
もとより主を守ることを優先としたプログラムであるために、砲撃に対する防御も、拘束を解くスピードも、肉弾戦における技術と力も、研鑚は怠ったことはなかった。
例え、八神家で平和な日常を享受していてもだ。

「ぬぅううぅぅんっ!!!!」

剛腕がユーノを襲う。
それに対し、腕を横に払うことで受け流す。
次に迫る蹴りに対して、腕をクロスしてガードする。

「甘いわぁっ!!」

ザフィーラが叫ぶと同時、ユーノのガードごと、ザフィーラの蹴りは少女を吹き飛ばした。
それほどの威力をこめていたという印象がなかったため、少々驚いた顔をしたユーノだが、これも予定調和の一つだった。
ユーノの元の戦闘スタイルは拘束。
中距離、遠距離からバインドで対象を縛り付けて戦う。
相手がインファイトで戦う以上、一度吹き飛ばされることで距離を取ろうとした。
しかし、次のザフィーラの行動は予想以上に早かった。

「まだだぁぁぁぁっ!!!!」

これまた一瞬の踏み込み。
先ほどのナイフを見て、ここまで踏み込んでこれるとは!
ユーノはわずかに反応を鈍らせるが、法陣を展開。
一般的な盾の魔法、ラウンドシールドを展開する。

「そのようなものでこの俺を止められると思うなよぉっ!!!」

バリアブレイク。
かつて何度か相対した、金髪の少女の使い魔が使用していた術式。
当然ながら、バリアを貫く効果を有している。
その使い魔のものよりも、さらに強力なバリアブレイクが施された拳が今まさにシールドを割ろうと向かってきていた。
大きく振りかぶられたその拳は、ユーノの展開したラウンドシールドを容易く貫くであろうことは想像できた。
では、この状況をどうするべきか。
ユーノは一瞬の判断で、ラウンドシールドを書き換えた。

「“プレスシールド”!!」

瞬間、圧縮された小さなラウンドシールドとザフィーラの拳がぶつかり合う。

「何!?」
「ふぅ……間に合った」

圧縮した小さな手のひらサイズの円形のラウンドシールドは、正確にザフィーラの拳を妨げていた。
バリアブレイクを施した拳を、防ぎきり、未だなお緑色の魔力光を放つ小さな塊。
いったいこれはなんだと、ザフィーラが一瞬うろたえる。

「ぼさっとしてる場合かい!?」
「っ!?」

次の瞬間、体に緑の鎖が巻き付いた。
チェーンバインドである。
その鎖は、見る見るうちにザフィーラの体に巻き付き、四肢を拘束した。

「その鎖は、ただのチェーンバインドじゃあないよ?」
「むぅ……!?」

力を込めて引きちぎろうとするも、無駄であった。
むしろ力を込めれば込めるほどに、鎖はその体を締め付けていく。

「なんという強靭さ……!
 しかもこれは……力が奪われていく……!?」
「それ、作るの大変なんだよ?
 動けば動くほどに締め付ける鎖。
 “ウロボロス”とでも呼ぼうか。
 普段はあんまありつかわないんだけど」

魔力を馬鹿みたいに食うからね。と、可愛らしく片目をつぶる。
が、ザフィーラはもがくのをやめなかった。
その表情は、勝利を信じて疑わないものだった。
解けば、食い殺される。そんな印象を覚えた。

「怖いなぁ……早く終わらせないと……!」

“ウロボロス”の周囲を魔力で作った刃が取り囲む。
その数、おおよそ20。
勿論、非殺傷設定ではあるが、ザフィーラを昏倒させるには十分だった。

「悪いけど、寝ててよね!」

射出される刃。
勝利は揺るがなかった。
そう、揺るがないはずである。
が、突然の敵意をユーノは感じ取った。

「―――っ!
 そこっ!」

敵意に向けて、魔力刃を投擲する。
少しばかり離れた家の屋根。そこにあったのは、魔力刃の刺さった一つの魔方陣。
そしてその奥に見えるのは、桃色の髪をした女騎士。

「っ!?」
「……雪渓(せっけい)」

ゆったりと、鞘から抜かれた剣を振りかぶる騎士。
圧倒的な脅威が目の前にあった。
かわさなければならないと、彼女は鎖を使って下へ逃げる。

「一閃」

一瞬。
その一瞬で女騎士は先ほどの場所から、ザフィーラを通り越し、もうすでに剣を鞘に納めていた。

「……すまんな」
「気にするな」

一言ずつ言葉をかわす次の瞬間、ザフィーラを縛っていた“ウロボロス”がはじけ飛ぶ。
緑色の魔力光が離散すると、女騎士はユーノをちらりとみる。
だが、すぐに去って行った。

「……?
 どうしたの?二人で来ればやれたかもしれないよ」
「いいや……お前は少し面倒だ。
 もう少し効率のいい方法で行くとしよう……我らには、時間がない。
 また手合せ願おう。まぁ、次に会うことがあればだが」

そういうと、ザフィーラは転移した。
足跡を追ったが、連続転移で行方をくらませている。
魔力があれば別だが……先の戦闘で些か疲れていた。
ほんの一瞬の戦いで、これほどまでに疲労するとは。

「修行が足りないかな」
『いかがいたしましょう。
 彼らを追っておきましょうか?』
「いいや、やめておこう。
 今日は疲れた。帰ってお風呂に入ろう。
 一緒に入るかい?エル」
『勿論ですわお母様。
 ね、髪を洗ってくださる?』
「あぁ、いいよ」

親子は連れだって自分の家に戻る。
遠くの封鎖結界をちらりと見て、ユーノはつぶやく。

「頑張って」








































「このヤロー……!」

ヴィータは目の前のアリサと呼ばれた少女と打ち合っていた。
巨大な剣。彼女の背丈の二倍ほどもある剣を軽々振り回し、さらにはシグナムにも劣らない炎を発して見せた。
この少女から感じる魔力はそこまで多くない。
なのに、何故ここまでの威力が出るのか。

「喰らいやがれ!」

もう何度目かわからない鉄球を撃ち込む。
その鉄球を全て切り裂き、なおスピードを緩めずこちらへ迫ってくるアリサ。
足止めにもなっていない。

「せぇぇぇえっ!!」

大剣が袈裟に振るわれる。
それを弾くためにアイゼンをぶつける。

「ぐ……っ!」

一瞬の拮抗。
しかし、その圧倒的重量と力に耐えきれず、弾き飛ばされた。

「うあっ!!」

吹き飛ばされるヴィータを横目に、アリサは剣を担ぎ、担いでいないほうの手に火をともす。
漆黒の夜に映える純白の炎は、少女の左腕を照らし、目の前の標的を今にも喰らわんと轟々と燃え盛っていた。
それは、少女の眼もまた同じである。普段は蒼いその瞳は真っ赤に染め上げられ、静かな怒りと敵意が宿っている。
その怒りは、友達に刃を向けた者への怒り。
事情は知らない。だが、自分の友達に牙をむいた報いは受けさせる。

「荒れ狂う炎よ!
 我が身に集いて我を飾り、我に触れし者すべてをその焔にて焼き払わん!」
『scarlet dress』

炎が彼女の体を包み込む。
それはまるで炎のドレス。
剣も、彼女自身も、全てが炎で覆いつくされている。
炎の姫騎士。アリサ・バニングスを表すのに、これ以上の言葉はないだろう。

「それがどうしたってんだ!!
 その炎ごとォ!!」
『かそくかそくかそくかそくかそくっ!!』
「ぶち抜いたらァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」

高速でアリサに殴りかかるヴィータ。
紅黒い魔力光と赤い魔力光が混じり合う。
先ほどまでとは比べ物にならないほどの速度であった。

「このあたしと真正面からやり合おうなんて……!!」
『Fire』

剣が炎を纏う。
その巨大な剣を軽々と持ち上げると、アリサは片手でスカーレットスノウを振りかぶる。

「十年早いってのよ!!!」

圧倒的なまでのスピード。
振りぬく速度はまさに音を置き去りにするかのごとく。
しかし、振りぬいた先にあったのは、にやりと笑うヴィータの残像。

「……っ!」
「とった……!!」

加速魔法を利用した、無理やりな方向転換。
それによって、ヴィータはアリサの斬撃をかわしつつ、背後に回ることに成功したのである。

「(勇から借りた漫画が役に立ったぜ!)」

ほくそ笑むヴィータをよそに、アリサは焦る。
このままではやられるとか、そういった焦りではなかった。
大口叩いて、負けて帰るなんてことはできない。
かといってこの状況をどう打破したものか。
つまるところ、カッコ悪いところを下で見ているなのはに見られたくないだけである。
子供らしいその焦りは、彼女にさらなる力を与えた。

「なめんなクソ餓鬼!!」
『Blazing wing』

今にも鎚が届くといったところに、アリサの背中から超高温の熱風が吹き出した。
その風の前に、ヴィータは吹き飛ばされる。
バーナーのような暴風は、ヴィータのバリアジャケットを焦がす。
そして、極め付けには彼女の肩にいる呪いうさぎの顔がついた帽子まで吹き飛んだ。

「っ……!!!
 アタシの帽子っ!!」

取りに行こうと飛ぶヴィータの前を、炎が遮った。
振り返れば、そこには炎のドレスと炎の翼を身に纏うアリサの姿があった。
恐らく非殺傷設定でなければ、一瞬にして骨まで炭化しそうな温度が込められている炎。
火力のみであれば彼女の慕う将をも超えるであろうことは想像に難くなく、蝙蝠のに似た形の翼を羽ばたかせていた。

「どんどん来なさいクソ餓鬼!
 それをあたしは真っ向からねじ伏せる!」
「……やってみろよクソ餓鬼が!
 てめーの炎ごとかっ消してやる!!」
「「誰がクソ餓鬼だこの餓鬼ィィィィィィィィィィィィ!!!!!!」」

炎をバックに、怒りに燃える少女が激突した。









































プレスシールド
使用者 ユーノ・スクライア

一般的なラウンドシールドを、魔力で圧縮し、その強度を増したもの。
守れる範囲は非常に小さく、拳大程度であるが、肉弾戦ではかなり役に立つ。
腕力で割れることは少なく、さらにはバリアブレイクに耐性があるため、これ自体を武器にして振り回すこともある。


ウロボロス
使用者 ユーノ・スクライア

拘束対象が動けば動くほどに締め付ける強度の高いチェーンバインドの強化版。
このバインドを解除するのは至難の業であり、名前通り、魔力がある限りいつまでも締め付け、そしてその者の体力を喰らい続ける。

無限を意味する蛇「ウロボロス」が元ネタ。
「∞」これはウロボロスから生まれたものらしい。


チェーンボール

使用者 ユーノ・スクライア

鎖の先に鉄球をつけ、それを振り回すことで武器にしようと思い立ったのがきっかけで出来た魔法の原初のユーノオリジナル魔法。
現段階ではドリル、ナイフ、かぎづめなどをつけることに成功している。


雪渓一閃

使用者 烈火の将 八神シグナム

一度方陣を展開し、それに攻撃してきた相手を拘束。
方陣ごとぶった斬るカウンター技。
しかし、普通に攻撃にも使用することができ、その際特殊な付加魔法を纏うこともできる。
魔力のみを斬る魔法である。
作中、これによってザフィーラの拘束を解いた。

雪渓
高山の斜面や山地の谷沿いで、夏になっても雪が解けず、大きく残っている場所を指す。


スカーレットドレス

使用者 アリサ・バニングス

炎をドレスのように纏う。
その温度は極めて高く、人間では恐らく、到底触れることすら叶わない灼熱の衣である。
非殺傷設定を解けば、もちろんではあるが一瞬で周囲を焦土に変えてしまいかねない危険性を孕んでいる。


ブレイジングウイング

使用者 アリサ・バニングス

強力な熱風とともに背中から吹き出す炎が翼を模る。
極めて強力且つ危険なその翼は、熱風だけで火傷では済まない火力を秘めており、直接触れたらどうなるかは明白である。
こちらも非殺傷設定がなければ扱えない代物である。











































設定でアリサちゃんをチート扱いにしすぎました。
反省してます(反省してるとは言ってない)。
久しぶりの更新でしたがいかがでしたでしょうか。
申し訳ないことに(VSヴィータちゃんは)もうちょっとだけ続くんじゃ。

三十話

封鎖領域の中を走り抜け、ビルの屋上へ駆け上がる。

「ハァ……ハァ……!」

息を整え、空を見上げる。
きょろきょろとあたりを見回すと、胸にかけたレイジングハートが光る。

『来ます』
「え?」

目の前を見ると、一筋の赤い光が向かって来ていた。
中心には、銀に輝く球。

『誘導弾です』
「っ!」

なのはは左手をかざすと、シールドを張る。
着弾した誘導弾は、シールドを突き破らんと加速を続ける。

「くっ……!(重い……!)」

シールドを展開しながらなのはは視界に赤を捉えた。

「テートリヒシュラークッ!!!」
「っ!?」

槌を振りかざし降りてくる少女から身を守るため、右手をかざし、シールドを張る。
勇との戦いで少々鍛えられたなのはのシールドは、赤い少女の攻撃を防ぎきるかに思えた。

『まりょくしゅうちゅう!』

彼女の肩に乗る白いウサギのぬいぐるみがぽうと光ったかと思うと、シールドにかかる衝撃が明らかに増した。

「ぶち、抜け……!
 オラァァァァァァッ!!!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

ガラスのようにシールドが割れる。
その衝撃のまま、なのははビルの下に吹きとばされてしまった。

「…………」

少女は追撃の為、もう一度ハンマーを振りかざして落下したなのはを追った。
だが、

「っ!」

彼女の周囲が桃色の光に包まれる。

『おねーちゃん!』
「あぁ、先手必勝ってな!!」

鉄球を取り出すと、テニスのサーブよろしく振りかぶる。

『Schwalbefliegen』
「ふっ!」

鉄球を打ち出す。
それは確かになのはの居る場所へ着弾。
そのまま少女はハンマーを振り上げ、突撃して行く。

「ぜえええええりゃぁああああ!!!!」

だが、ハンマーは空を切った。
直後に煙から脱出したなのはは彼女を警戒しながら態勢を立て直す。

「いきなり襲いかかられる覚えは無いんだけど、どこの子!
 一体何でこんな事するの!」
「…………」

少女は答える代りに、鉄球を二つ。

「教えてくれなきゃ……わからないってばぁっ!!」

なのはは、鉄球の着弾時に射出しておいた誘導弾を二つ呼びよせた。

「!?」

少女は一つを回避。
二つ目をデバイスで受け、シールドで散らせた。

「ちっ!
 ヤロー……!!」
『かそく!』

白いウサギのぬいぐるみの足元に魔法陣。
次の瞬間、赤い少女はなのはの目の前でハンマーを振りかぶっていた。

「!?(速い!)」
『FlashMove』

咄嗟に高速移動をして回避。
一瞬とは言え、見えなかった事を考えると、距離を取る事が最善と考えたなのはは、間合いを取る。

『Shooting Mode』
「話を……!」

魔力を込め、砲撃態勢に入る。
放つのは、長らく彼女を支え続けた砲撃。

『Divine』
「聞いてってばぁっ!!」
『Buster』





























『《ひひっ……》』

とある無人世界。
一人の少年がその場に立っていた。

『《歯ごたえが無いね……》』

仮面を付けているからか、少々くぐもった声を発している。
彼の周囲には、大量の人間が横たわっていた。

「ぁ……ぐ……」
「はっ……はっ……」
『《だめだぁ……もの足りねぇよ……なんかこーさー……突然デカイ奴が……現れたりしねぇの?》』

息を荒げる人々……武装局員の一人に、彼はしゃがみ込み問いかける。

『《あのさぁ……ここらでなんか魔力持ちの強いのいねぇ?
  しょーじき、飽きてきた……第一俺は戦いへの欲求だけで出来てんだから……戦いを下さい》』

本気で泣きそうな声色を出して、倒れた局員をつつく。
そんな彼の動きが、ピクリと止まる。

『《応援を呼んでくれたのか……ありがと。俺も退屈しないで済みそうだ……》』

彼の背中には、一人の魔道士。
その後ろに、十人ほどの魔道士が並んでいた。

「動かないでもらおう。
 動けば撃つ」
『《にひひ、テンプレテンプレ。
  いい展開だねぇ》』

魔道士が少年にバインドをかけようとしたその瞬間、彼の耳についていた球体がポロっと落ちた。
その球体が彼の肩に触れる。

「ぐぁっ!?」

魔道士は吹きとばされた。
何が起こったのかと周りの魔道士が杖を構える。

『『双翼“初嵐”』』

機械音声が響く。
少年の背から、禍々しい翼が生えていた。
紅黒く、翼の至る所に眼が、当たりをぎょろりと見廻しながら存在している大きな翼。

『《あ~……いぃ~感じに準備運動完了したし……》』
「…………!」

局員の一人が息をのむ。
無数の視線が、彼らを貫く。

『《……そろそろ灼くか》』
『『秋時雨』』

大量の熱光線が彼らを襲った。

















































『ディバインバスター、目標に着弾。
 念のためもう一撃加えます』
「魔力ダメージだけにしてね。
 あとでお話するから」
『Yes my master
 Div……マスター、後方にシールドを!』
「え?う、うん!!」

レイジングハートの警告に、あわててシールドを張る。
瞬間、何かがシールドを直撃した。

「ちっ、やるじゃねえか……!」
「っ!
 どうしてこんなことするのっ!?
 なんでこんな……!」今にも泣きそうな顔で、なのはは問いかける。

「んなもんてめーに話す義理はねー!」

少女はさらに力を込める。
白い兎のぬいぐるみから流れる薄く赤黒い魔力光が、彼女の魔力光と混ざり合う。

「!?」
『その魔力光は……!』
「ラァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」

少女がハンマーで障壁を軽く押し、距離を取る。
そして、兎から流れ出して来る魔力を混ぜた魔法陣を展開。

「グラーフアイゼン!!
 カートリッジ、ロードだ!!」
『Cartridge Load』

ガシャコン!と、薬莢がハンマーと柄の付け根から飛び出す。
そのまま彼女はハンマーを振りかざし、回転していく。
高速で回転しながら、迫る。

『Raketen hammer』
「ぶちぬけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!」
「きゃあああああああああああああああ!!!!!」

ジェット噴射で回転する彼女の高速の鉄槌が、なのはのシールドをとらえた。
ハンマーが障壁を砕き、なのはをビルに叩きつけ轟音が響く。

「ふぅ……殺して無いよな?」
『せいめーはんのうあり、だいじょうぶだよ』
『ですが、警戒しておいてください。
 魔力量だけで言えば彼女は貴方を凌駕します。
 さらに言えば、“彼”からの情報ですが』

煙の中から機械音が鳴った。
自らの愛機の警告に従い、身構える少女。
そして、愛機の予測通り。

『煙に包まれた敵は大抵倒せていない』
『Divine Buster』

煙を引き裂き、桃色の閃光が彼女を襲う。
途端に白い兎から魔力が流れ、障壁を展開。
半円型の紅黒い障壁で、閃光を受け流す。

「動かないで」
「!?」

気が付けば、戦っていたはずのなのはは少女のすぐ後ろでレイジングハートを向けていた。
いつのまに後ろにと、驚愕の色を見せる。

「私は、私立聖祥大学付属小学三年生の高町なのは……貴方の名前は?」
「……ちっ、ヴィータ」

ヴィータは後ろにいる彼女をどう振り払うか思案していた。
速い。それも圧倒的に。
恐らく魔力を込めた移動魔法。しかもかなりのレベルのものだ。
よほどの鍛錬を積んだものと推察する。

「どうしてこんなことするの?」
「しらねーな。
 少なくとも、お前に言う義理は無い」

なのはもヴィータという少女にレイジングハートを突き付けながら思案していた。
この少女の方に乗っている兎の魔力光。
薄くはあったがわずかながらに、彼女の友人の魔力光であった。
以前に魔力光について色々と聞いたことがある。
『魔力光は千差万別十人十色。
 似たような物はあれど、絶対に絡む事は無い』

では、兎が出したあの魔力光はいったいなんなんだろうか。
彼と関係があるのか?それとも彼とはまったく関係のない見間違いなのか。

「じゃあ……幽亜勇君を……知ってる?」
「……!」

反応があった。
念話でも、呼吸に乱れが見える事がレイジングハートから伝えられる。
この子は、勇と何か関係があると決定づけた瞬間に。

『はつどう、“深淵掴む魔手(カオスハンド)”』
「っ!?」

兎から魔力光があふれ、その右手からあふれる淡く紅黒い巨大な手がなのはを包み込む。
間違いない、この魔力の感じも!

「(勇君と同じ……!)」
「おっけ!ナイス呪いうさぎ!
 来な!闇の書!!」

ヴィータの前に一冊の本が現れる。
重厚な、分厚い本。
禍々しくも、美しい装飾のされた本がひとりでに開くと同時に、なのはの胸が痛みだした。

「うっぐぅっ……!!!!」
「悪いけど……もらうぜ、お前の魔力。
 後遺症が残らない位には抑えるから……大人しくしてくれ」

少しの後悔と決意を混ぜた声で語りかける。
なのはの幼い身体から、小さな光球がふわりと浮かんでくる。











-----燃え盛る。

声が響く。
高く透き通る少女の声。

----業火、獄炎。
我が魂は灼熱。血は溶岩の如く。
輝けり、輝けり。
焔となりて我が手に宿れ。

「灼き出よ、白炎!
 スカーレットスノウ!セットアップ!」

白い炎。
それが二人の間を通り、黒い手を断ち切った。

「なっ!?」
「あたしの友達に手を出そうだなんて、いい度胸してるじゃない」

白い炎が煙を上げて静まった中に現れたのは、剣。
少女達の背丈の二倍はある両刃の大剣。
幅は広く、刀身は美しい白。
柄に金色の装飾が施された剣である。
その剣の柄には、小さな白い手。
真紅のバリアジャケット……いや、騎士甲冑の方がそれに合っている。
それに身を包んだ一人の少女。
金色の髪が消えゆく炎になでられるかのようにたなびいた。

「勇がいないからって暴れ過ぎね」
「『アリサ(ちゃん)!?』」

その少女の名は、アリサ・バニングス。その人であった。






















お待たせ致しました。
携帯で書くのって辛いです。
早くPCを……

二十九話

「久し振りねレティ。
 いきなり連絡なんてどうしたの?」
「えぇ、ちょっと相談があってね」

アースラブリッジにて、リンディ・ハラオウンは旧友と連絡をとっていた。
彼女の他には、息子のクロノが書類仕事をしているだけで、他のクルーはそれぞれ思い思いの休暇を過ごしている。

「それで、相談って何?」
「えぇ、あなた達最近管理外世界で起きた事件を知ってる?」

唐突な質問。
リンディは首を傾げながらこたえる。

「一応少しだけなら知ってるわ。
 今は休暇中だからあまり仕事はしてないけれど」
「では、プロティガウロでの事件は?」
「地轟龍の件ね。
 詳しくは無いけれど、知ってるわ」
「その話なら一応僕が調べてます」

リンディが振り向くと、さっきまで仕事をしていたクロノが紙の束を抱えて立っていた。

「あら、クロノ執務官。怪我は大丈夫なの?」
「……?
 はあ、まあピンピンしてますよレティ提督。
 それより、先ほどの件、管理局のデータベースにアクセスして調べましたが……」

そういうと、クロノは抱えていた書類から二、三枚、リンディに手渡した。

「管理外世界“プロティガウロ”の地轟龍が、何者かに襲われた事件。
 “プロティガウロ”には、地轟龍以上の強さの魔法生物はいない筈なので、恐らく他の世界から来たと思われます」
「なるほど……密猟者にしてはグリモアの周囲に足跡も無く、傷跡から火炎の魔力変換資質を持った剣で斬りつけられた痕跡が見られることから、空戦魔導士が絡んでいる可能性が大きい……と」

モニターの向こうのレティは頷くと、さらに続ける。

『それも、管理局の一般的な武装局員の戦闘力を遥かに超える戦闘能力の持ち主ね』
「それと、こっちの事件も見て下さい」

クロノがさらに書類を手渡す。
リンディはそれをパラパラと流し読んでいる。

「自然保護隊十数名が負傷……同じ“プロティガウロ”での事件ね」
『そこまで調べたのね。
 彼等の体は、大量の水で濡れ、そして水圧でバリアジャケットも切り裂かれていたの。 彼等のうち五名はまだ意識が戻らないけど、他の隊員達の発言を元に、彼等を襲った犯人の人物像を作ってみたの』

レティは端末から、リンディの携帯端末へ画像を送った。
端末に送られてきた画像をクロノと二人で覗き込むと、そこには三枚の画像。

『一人は赤い包帯に包まれた女性。
 もう一人は、黒い包帯に包まれた人。
 女性より背が低いけど、体の凹凸がないところから、男じゃないかと推測されてるわ。詳しくはわかってないけど。
 そして、もう一人がその子』

中心の髑髏の仮面。
他の二人よりも背が低く、黒いローブを羽織っていた。
足甲に注意せよと備考が添えられてある。

『計測結果では魔力を持たないはずなのに、謎の能力で自然保護隊を圧倒。
 その後、管理局に座標データと写真を送ってきたわ』
「保護隊の倒れている場所の座標データですね」
『ええ、それと、これがその写真』

それに映っているのは倒れた局員と、犯人の足。
そして、ちらりと見える足甲。

「……紅と黒の……眼……」
「まさか……勇か……」

はっきりと見える眼。
何度も、何度も見てきた幽亜勇のデバイス、イモータルとアビス。
それらの眼だった。

「勇……お前は一体……何をするつもりなんだ……」

クロノは書類を読み返し始めた。































夜のネオン輝く街並のそのはるか上空に、青い狼と、赤いドレスを着込んだ少女が、佇んでいた。

「どうだ、ヴィータ。
 なにかわかったか?」

ヴィータはその背中に白い兎を肩に乗せ、物々しい本を脇に持っている。

「いるような……いないような……呪いうさぎ、お前は?」
『まりょくならちらほらと見つけられるけど、そこまで大きなのはちょっとわかんない』

ヴィータは眼を開くと、その手に持った鋼鉄のハンマー、彼女の相棒である“グラーフアイゼン”を担ぐと、肩に乗せているうさぎに笑いかける。

「こないだっから時々出てくる妙にデカイ魔力反応……」
『なんとかしてそのまりょくをげっとしちゃえば、30くらいはかせげそうなのにね』

狼がヴィータに背を向け、視線を合わせた。

「分かれて探そう。
 闇の書は……お前に預ける」
「オッケーザフィーラ……あんたもしっかり探してよ」
『さがしてよ?』
「ふっ……心得ているとも」

ザフィーラが飛び去った後、ヴィータはグラーフアイゼンを構える。
同時に、肩に乗っていた兎もヴィータの頭に飛び乗る。

『ふーさりょういきてんかいじゅんび!』

のろいうさぎを中心に、赤い三角の魔法陣が展開する。

「封鎖領域、展開」

さらに、ヴィータを中心にさらに三角形の魔法陣を展開させる。
そして、魔力を持たぬ者以外を結界の外へと追いやる封鎖結界が、海鳴市を覆った。

「…………魔力反応……見つけた」
『おおものだ!』
「あぁ、行くよ!
 のろいうさぎ!グラーフアイゼン!」
『はーい!』『了解』

ヴィータは、魔力反応のする方角へ向かい、赤い軌跡を残して飛び去った。































『警告、緊急事態ですマスター」
「え?」

学校で出た宿題を片付けようとしていたなのはは、自分の愛機であるレイジングハートの警告音にペンを止めた。
次の瞬間、高町家は結界に包まれた。

「け、結界!?」

なのははベッドに膝をついて、窓から外を見る。

『対象、高速で接近中。
 どういたしましょう?』
「近付いて来てるの?
 こっちに?」

なのはは不安そうな顔で空を見上げる。
だが、やがて何かを決めたように空を見上げると、レイジングハートを掴み、外へ飛び出して行った。


































次、ヴィータとの戦闘回となります。
おっせえwwwすまぬwwすまぬwwwヌカコポォwwwww
プロフィール

めたるみーと。

Author:めたるみーと。
アニメやゲームのキャラを自分の子供に勝手に認定するめたるみーと。(フリーター)です。
嫁?なにそれおいしいの?

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