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第七話 ファミレスに行ったら中学生が絡まれてたゾ(ホモは嘘つき)

「何にする?」
「そうだな……ゴーヤとエスカルゴの地獄ラザニアなんて良さそうだなぁ……」
「すっげぇ名前……エスカルゴなんて高級食材じゃなかったの?」
「そこんところ、どうなんだろうな……ここのファミレス謎メニュー多いし……」

夏休みの前日。
基本自炊の俺たち上条トゥレイトコンビは、ファミレス“ジョナガーデン”で外食をすることにした。
なぜかというと、なんかこう、たまにあるやん外食したい欲求が溢れ出るときが。

「っていうかさぁ……あれ、みこっちゃんじゃね?」
「見るな。
 あれは俺たちが作り出した悪夢のひとつに違いない」

だいぶ厳しい事を言う上条さん。
そこには、だいぶ媚を売ったような声で不良らしき人に話しかける彼女。

「上条、いい加減現実を見ろ。
 あれはどう考えてもお前に、そして俺に喧嘩をふっかけたあの子だよ」
「っていうか、あれどうなってんの……なんであんな声だしてんの。
 何?ビリビリお嬢様じゃないの?
 童貞の夢と希望がブレイクしそうなんだけど」
「いや、まてまて。
 ほら、もしかしたら釣りってことも考えられるじゃん。
 あの子“風紀委員”とも繋がってるし……」
「あ、そういやそうだっけ……」

不良は下卑た目で彼女を見ている。
めっちゃひくついてる笑顔を見て、彼らはなんも思わんのだろうか。
あぁ、多分見えてないのだろうか。

「もしくは見えてるのに見えていないふりをしている……?」
「何ぶつくさいってんだお前……あ、移動するぞあいつら……」
「追いかけてみる?」
「あのスキルアウトたち、やばい目にあいそうだしなぁ……どうしよう。
 でも、俺電撃くらいたくないし……追いかけられるのももう懲り懲りなんだけど……」





























「来ちゃった(はあと)」

どうも路地裏でお話し合いでもするようです。

「っていうか、結構数いるなぁ……大丈夫だとは思うけど、一応飛び降りる用意しとくか……」
「上条さん、君一応一般人なんだからさぁ……そういう人外じみたことは……」
「え?普通だろ?」

現在、ビルの屋上からみこっちゃんとその他を観察しています。
五階はあるこのビルから飛び降りるとか正気かこの人。
この世界の上条さんはどこか非常識で理不尽だなぁ……俺のせい?

「あ、電撃だした」
「終わったな……ってあれ?
 なんかジャージ着たお姉さんがよって来てるけど……あ、結構可愛い」

結構可愛い感じの姉御肌の女性。
何やら電撃で昏倒させられた奴らの頭のようだ。

「うーん……あれは……まずいかな?」

そういうと、俺は右目に装着したそれで確立を図る。
こいつは当然俺の能力。
“全手切札”(ザ・ジョーカー)が一枚“クラブの4”“天秤鏡”(ライブラスキャナー)。
ぱっと見ただのモノクルである。紳士的な金縁のモノクルのグラスの中に、文字が浮かび上がるのだ。
能力は対象の人物に起こる事象の確率を調べること。
例えば、今俺の眼にはみこっちゃんとジャージの女性がうつっているわけだが……ほい。


挑発に乗ってめっちゃすごい雷落として電化製品壊れる確立 99.2%
二人とも服が突然脱げる確率 0.8%

な?
いや、まて。これおかしいだろ。
なんでそんな確率があるんだよ。

「このままじゃ上条さんちの冷蔵庫クラッシュするぞ」
「何それ!?
 どんな確率事象!?」

起こるものはしょうがない。
まぁ、止めに入るかね。

「上条、本当に大丈夫?」
「問題ないぞ。
 行くぜラグナ!俺の食材たちのために!」

そういって飛び降りる上条を追って、俺も飛ぶ。
本当に大丈夫なのかよ……。

「そこまでだ!
 俺の食卓事情により、この喧嘩!
 この上条当麻があずかる!」
「いや、わけわからん」

無事に着地。
いや、ホントこの人訳が分からん。

「はぁ!?
 おま、どっから出てきやがった!」
「勿論屋上からだ!」
「あ、アンタなんでこんなとこにいんのよ!?」

各々の反応は驚愕一色。
まぁそりゃあそうだろ。
こんなんが突然現れたんだから。

「普通にこのビルの屋上から飛び降りてきた!!」
「全然普通じゃねえじゃねえか!」
「え?この程度みんなできるだろ?
 ラグナできるもんな?」
「え?う、う~ん……まぁ確かにできないことはないg「じゃあできるじゃん!」」

もしかしてこの異常な基準。俺?
俺と一般人比べるのやめろよ……。

「つーわけでここは俺たちでやらせてもらうぜ!」
「まぁ、うちの冷蔵庫もクラッシュしたら嫌だしねぇ」
「ハァ?」

電気ビリビリさせながら彼女はにごっと笑う。
うん、これはもうダメだね。

「上条君」
「サー!」
「ちょ、ちょっとぉっ!?」

上条が彼女をしっかりと右手で捕まえる。
何故かその捕まえる手は彼女の左手だったりする。
何仲良さげに手ぇつないでんだ!

「で、やるかいお嬢さん。
 言っとくけど、俺は強いよ」
「へっ!よくわからねーが、お前ら全員ボコボコにしてそこに寝てる馬鹿どもの落とし前つけさせてもらうぜ!」

あ、そういう趣旨だったんだ。
まぁいいけどさ。

「どっからでもかかってくるといい。
 終わったらさっさと帰って今日の行いを反省し、このスモッグを着るといい。
 この黄色の帽子も忘れるな。名札は平仮名で書くかめちゃくちゃ綺麗に漢字、平仮名のどちらかだ。
 呼びは“せんせえ”か“おじちゃん”、もしくは“おとうさん”“パパ”のどれかにするとなおグッドd「長いわ!」おっとと」

俺のこだわりを、どこからともなく出した現物のスモッグ(レディース用Mサイズ)を見せながら話していたら止められてしまった。
どうもこの少女はコンクリートを操る能力があるようだ。

「どっからそんなくだらねえもん出したかしらねえが!
 アタシの“表層融解(フラックスコート)”の前に沈みな!」

どうもこの俺をこのままコンクリ詰めにするらしい。
発想が893だよぉ……ふぇえ……。

「ま、俺の能力の前では無意味だ」

そう言って、俺は一枚のカードを切る。
俺のオリジナルイラストのうちの一つ。
ダイヤの5に当てはまる切札。

「“俺の両手は森羅万象(スピリチュアルハンド)”」

地鳴りが響く。
この世の中のありとあらゆる物質という物質を、俺の手の動きとリンクさせる能力。
それによって、俺は自分の足にまとわりつくコンクリートは俺の制御下になった。

「……は?」
「そう驚くなよ。
 自分だけがコンクリを操れると思ってたのか?
 甘いねえ……。」
「ど、どういうことだ!?
 ア、アタシの能力が……!
 なんで!?レベルアッパーで、さらに強くなったはずなのに!!」
「ほうほう、君もレベルアッパー使用者か……。
 つまり、第三位はその調査に来てたわけだ。
 熱心だねぇ。風紀委員でもないのに」

さて、そんなことはどうでもいいのだ。
俺の足元から、二本の手が現れる。
気分は巨岩掌を操る某バリアン。
そのコンクリートの掌は俺の両手の動きとリンクしている。

「そんなもんを操ろうと足掻いても、その程度では無理だ。俺の“森羅万象”の前に沈み、ランドセルかスモッグか選べ」
「だ、ダメだ姉御!あいつ守備範囲広すぎだよぉ!!」
「ええい!うろたえるな!スキルアウトはうろたえない!!
 落ち着いてアイツに差し出すランドセル姿の幼女を探せ!」
「アンタらが落ち着け!」

この人たちなんか面白いんだけど。
でも、そろそろ終わらせんと後ろからすごい視線を感じる。
確認しようとは思えないが、とりあえずさっさと終わらせよう。

「ほいっ」
「キャアアアアアアアアッ!!?」

空気と俺の腕をリンクさせ、お嬢ちゃんの足をもって釣り上げる。
とりあえずスカートじゃないしパンツが見えることもあるまい。

「ははは、どうだー。
 まいったかぁい?」
「知るかコノヤロ!
 クソッ!下ろしやがれぇ!!」
「ふははははははははっ!
 お腹が見えてしまっているぞぉ!!
 ヘソを突いてやろうか!?」
「変態だぁあああああああああああああああああああっ!!?
 たす、助けてくれええええええええええええええええっ!!!!」

ふあっは!!叫んでも無駄無駄無駄無駄ァ!!

「森羅万象を俺の手の動きとリンクさせる能力。
 この能力によって操作できる範囲は自由に設定できる……つまり、右腕は巨大なままこうお嬢ちゃんを握り……」
「ひ、ひぃぃぃぃぃっ!!?」
「このように右腕の一部を透過して左腕で嬢ちゃんの体を触ることすら可能!!
 ただし触っているという感触は俺にはない……何故だっ!!」
「しるかあああああああああああああああああああ!!!!」

ンッン~♪叫び声が実に心地よい!!
どれ、もうちょいとばかしいじくりまわして……

「やめんか」
「おごっ」

上条くんに殴られた。
何故じゃ。





























「ちくしょう……絶対許さねえからな……」
「よしよし……」

何故レベルアッパーを使った彼女じゃなくて俺が縛られてるんですかね……。

「で、レベルアッパーの情報を教えてくれない?
 私たち、それを追ってるのよ」
「あぁ、アタシがこれ以上辱められるのを止めてくれたこともあるし、別に構やしねえよ。
 どうせあんたらにこうして囲まれてる時点でアタシらも負けてるに等しいしね」

そう言って、彼女はおとなしく両手を挙げて降参の意を示す。
後ろにいる手下どもも、どうやら素直に負けてくれるようだ。
よかったよかった。

「ついでに俺の縄解いてくれ頼む。
 ちょっと興奮しすぎただけだから。おとなしくしてるから。
 お願いします」
「もうしばらくそこでおとなしくしてろ」
「もう遅いぜ!!」

ぱらっ。と俺を縛っていた縄が解かれる。
もちろん自力である。

「この暴走機関車は……」
「ふは、何を言う上条君。
 いや、縄の食い込み具合も中々にエクスタシーだった。
 だが、僕にはMっ気が少ないので今度は女の子を縛らせてね」
「やらせるかよ!」

なんだよ。ちぇっ。
どっかに可愛いM気質の女の子がいないものかしらね。

「で?レベルアッパーってのは実際なんなの?」
「理屈は知らねえけど、音楽ファイルだよ。
 聞けば、レベルが上がる。そんだけしか知らねえ」
「ふーん」

そう言って俺は音楽プレイヤーを再生させてイヤホンを耳に突っ込んだ。

『あ』
「うっ」

薄れゆく意識。
その奥に、なんか白い髪の女の子が見えた?
眼帯してるー……あははー……。

「ちょ、ラグナお前しっかりしろ!」
「アンタ何考えてるのよ!?
 んな得体の知れないもの聞くんじゃないわよ!」
「ほら、ぺってしなさい!ぺって!!」
「アンタはアンタでおかんか!?」

いい夫婦漫才ですね。
あ、もうダメ。なんか眠いわ。
おやすみ……。


















根性で書きましたが急いでいたもので元から低クオなのがさらにゴミ以下に……。
ちくしょうめ。おのれゴルゴム!
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第六話 介旅初矢の奇妙な冒険 後編

『おいおい、なんだそのレプリカ野郎は』

影が初矢へと声をかける。
初矢はそのボロボロになった身体を、大地に足をつけてしっかりと立たせていた。
その眼には先ほどまであった怯えは消え去り、燃え上がるような闘志があり、そして背後には、影と似たような黒衣を纏う鉄仮面が、大剣を携えて仁王立ちしていた。

『んだよその眼はァ!?
 うぜーんだよ!!こっち見てんじゃねえぇぇぇぇぇぇぇっ!!!』

影は背中のスプーンを大量に展開し、それを操って初矢を殺そうとした。
初矢はそれを回避しつつ、走り抜ける。

「僕は……僕は……っ!」

頭の中に声が響く。
それは、先ほど青い部屋の中で会った老人の声。

『あの影は理性を失っておられる。
 一度倒すことで、影を落ち着かせなさい』
「わかってる……わかってるよ」

初矢は手を伸ばし、手のひらで回転するカードを握りつぶした。

「イザナギッ!!」

後ろにいた鉄仮面、イザナギが大剣を振りかぶり影に叩きつける。
影の片手にある大剣を弾き飛ばすと、袈裟に切りつける。

『ちっ!
 なめんなコラ!!』

大剣を横からたたきつけ軌道をずらし、かすかに肩をかすらせ背中のスプーンを射出する。
回転しながら初矢に向かうスプーン。
着弾と同時に爆発する爆弾スプーンだ。
およそ四つのスプーンが初矢に迫っていた。
それに対し、イザナギが指をスプーンに向ける。

「イザナギ!!」

“マハジオンガ”

迸る雷撃がスプーンを叩き落とす。
広域に雷撃を走らせる“マハジオンガ”が四つのスプーンを消滅させた。

「いけっ!」

懐からスプーンを取り出すと、自身の能力で爆発物に変え、それを投げつける。
くるくると回転しながら、それは影へと向かっていく。

『んなトロくせえ攻撃が当たるとでも思ってんのかよぉ!!』

影はそれをなんでもないように回避すると、真っ直ぐに初矢へと肉薄した。
その瞬間、初矢は握りしめていた右手からスプーンを放った。

『何ィ!?』
「至近距離ならどうだ?」

超至近距離の爆発。
急速にこちらに突撃してくるのに対して、目の前でスプーンを爆発させることで確実に爆発を当てる。
そのための一手。それがこれだった。

『(馬鹿か!?そんなことしたらテメーも道ずれだろうが!?)』
「(これで、仕留める……全力でぶっ飛ばしてやる!
  これが俺だ……これが俺の!!)」

決意の爆破。
これは、弱い自分を受け入れるためのその一撃は、恐らくレベル5クラスの一撃だった。
至近距離で受ければ、確実に即死するレベルの爆発。
その威力は、第三位御坂美琴の超電磁砲にも匹敵しただろう。

「オオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

介旅初矢の史上最高の一撃は、自分へと放たれた。
光が、全てを包み込む。輝きを浴びた初矢の表情は、どこか穏やかだった。





















































「ん……おぉ、ボロボロだね……?
 どうしたの?」

五秒後。
メガネの彼は帰ってきた。
メガネはレンズが割れ、その顔は煤だらけ。
イヤホンはちぎれてバッグはもう持ってなかった。
制服は所々ちぎれている。

「いや、ちょっとね……今から“風紀委員”に出頭しなきゃいけないもんで……ちょっとげんなりしてるところだよ」
「そっかそっか……レベルアッパー、乗り越えたね君。
 こんな効果もあるんだね……いいね。最高だよ初矢君……その力、この世界でも使えるから、有効に使うといい」

表情はどこか吹っ切れたようだ。
しかし……レベルアッパーを自分の力にするなんてね。
マヨナカテレビ強すぎwwwwぶっ壊したな原作wwww

「そういえばレベル5。
 君の名前聞いてないんだけど……教えてくれないか」
「俺?
 俺はラグナ=トゥレイトだ。
 レベル5第八位……“切札創造(クリエイトジョーカー)”ラグナ=トゥレイトだよ」

あ、でもこのことはできるだけ内緒にしてね?と、人差し指を立てる。
初矢君はくすっと笑い、ボロボロのメガネの位置を直す。

「ラグナ。あのご老人、イゴールさんによろしく」
「おう、伝えとくよ」

そういうと、初矢君は歩き出す。
裏路地から外の光へと。

「またね、初矢君」
「またね、ラグナ」

これが、後のレベル5と元ピザの邂逅だった。
ってか元ピザ俺。












































犯人を輸送する車の中。
介旅初矢はメガネをはずすと、ぼそっとつぶやいた。








「メガネがなければ即死だった」

その背後には、鉄仮面が見えた。

















































名前:介旅初矢
性別 男
身長:163cm
体重:47kg
年齢:15歳
出身地:???
家族構成:不明
サイド:科学寄りのはず
所属:学園都市とある高校
職業:高校生
住居:とある男子学生寮 一室
レベル:異能力者(レベル2)※第六話現在
能力:量子変速(シンクロトロン)/ペルソナ使い

レベルアッパー使用者。
“連続虚空爆破(グラビトン)事件”の犯人。
メガネをかけた根暗な印象の少年。
現在ではどこか吹っ切れた表情で自由奔放に日々を過ごすことになる。
ラグナによってマヨナカテレビの中へとぶち込まれ、自分の“影(シャドウ)”と出会う。
その後、紆余曲折あって和解。自らにある一面を受け入れることに成功した。
その時に一緒にレベルアッパーによって上昇したレベルを全て“自分だけの現実(パーソナルリアリティ)”へと昇華させ、現段階でレベルは4となる。
しかし、“身体検査(システムスキャン)”を行うまではこの裁定。
さらに自分の“影”を受け入れることで、真なる自分のペルソナを手に入れた。
これによって、彼は実質“多重能力者(デュアルスキル)”となった。

ペルソナ:イザナギ
Lv:32
物- 炎- 氷- 雷耐 風弱 光- 闇無

力:33
魔:42
耐:23
速:33
運:14

スキル

マハジオンガ   メギドラ

コンセントレイト   タルカジャ

ラクカジャ   量子変速

火炎反射


所謂事故ナギ。
本来のP4イザナギに、ラグナの使用していたイザナギ、そして初矢の能力が合わさって本来のイザナギとは異なるイザナギとなった。
正直ペルソナファンの方々にはマジで申し訳ないが、背中にスプーンが刺さってるイザナギ。
オリジナルスキル量子変速は、敵単体に万能属性の特大ダメージを与えるスキル。
ちなみにまだ成長するのでスキル増える。

随時追加します。
















以上、設定厨による設定。
ついにやってしまいましたが、頑張りました。
ちなみにリアルを犠牲に書いてます!てへっ!
まぁ知ったこっちゃないです。和解シーンをスキップしたのは、フロムのせい。


さ、解剖生理学勉強しなきゃ!(眼逸らし)

第六話 介旅初矢の奇妙な冒険 中編

『ふふ……ふふふ……ひ、ヒヒヒヒヒヒヒヒャァァァァァッハァァァァァァァァァァァッ!!!
 そうだ!俺は、お前じゃない!俺は俺だァァァァァァァァァッ!!!』

眼前の自分が姿を変えていく。
有り体に言えば怪物。率直に言えば化け物。厨二的に言えば異形。
それは鉄仮面をつけている黒い人形。
背中には大量のスプーンが生えていて、片手に大きな剣を携えていた。
黒い学ランのような服を着、その眼は狂気のごとく、真っ赤に染められている。

「う、うわああああああああああああああああああああああ!!?」
『我は影ェ!真なる我ッ!
 さぁ!忌々しいマルチスキル野郎の作ったこの空間ごとォ!!
 ぶっ飛ばしてやるゥゥゥアアアアァァァァァァッ!!!』

背後に生えた無数のスプーンが宙を舞う。
くるくると回転するそれは、目の前の学校を破壊しつくさんと、高速で突撃していく。
着弾する。それはまるでレベルアッパーを使った介旅初矢の作った爆弾そのものだった。
初矢は、巻き込まれないように必死で学校の影に隠れる。
アルミニウムを爆弾に変える能力で空間内の学校の中に存在するごみ。すなわちアルミ缶の山を大量に空中にて回転させ、爆弾として空間にたたきつけていた。

『ヒャッホォォオオオオォォオオオオオイ!!!
 気持ちイイィ~!!力をばら撒くのやっぱりたのしいぜぇ?“お前”は弱い!でも、“俺”は強ォい!!』

大きく、下品に笑いながら初矢に言葉を浴びせる影。
それは、まさしく暴力。初矢の身体を傷つけ、心を蝕んだ行為の一つだった。

「違う……僕は弱くなんかない……違うんだよ!!」

鞄からスプーンを持てるだけ取り出した。
彼の持てるすべての力を使って、彼は投擲する。
レベルアッパーを使った初矢の量子変速(シンクロトロン)は、レベル4程度の能力となっている。
その全力の爆発。それは、普通の人間では即死レベルの大爆発であった。

「爆ぜろ化け物!!」































『あぁん!?』

爆発を爆発が止めた。
全てを飲み込む万能なる爆発。

“メギドラ”

「ガァ……ッ!」

爆発に巻き込まれ、初矢は体中に傷を負いながら吹き飛ばされる。
胸を強打し、呼吸もままならぬままに、ぼろ雑巾のように地面にたたきつけられた初矢は、絶望を感じていた。

――――やっぱり、僕は、弱いのか
――――自分の身すら守れないんだ

脳裏に浮かぶ走馬灯。
どんな能力があるのか、わくわくしながら入った学園都市。
能力で、いつか人を助けたいと思った。
高いレベルな能力ではないと聞かされて、落胆したけれど、それでも能力を育てようと努力した。

いつだっただろう。その努力をしなくなったのは。
薄れゆく意識の中で、スプーンが自分に迫ってきているのがはっきりとわかった。
確実にそれは爆発するスプーンだ。
自分の能力に、殺されてしまうのだろうか。





























「……強くなりたかったな」

























「え?」

止まっている。
迫りくるスプーンも、その向こうに見える化け物も。
何が起こっているのかわからなかった。
しかし、奇妙な光が後ろから発せられているのを見た。

「扉……?
 こんなとこに、扉なんて……」

蒼い光を放つ不思議な扉。
神秘的なその輝きは、初矢を魅了した。
気が付くと手が伸びていた。ドアノブをつかみ、回す。
ぎぎぃと重厚な音がすると、初矢は蒼い輝きに包まれながら、意識を飛ばしていった。





















「ようこそ、ベルベットルームへ」

「おや、随分と珍しい客人だ。
 強さを求めるお客様……どうやらあのお方が呼び入れたお方のようですな」

「特別、本当に特例ですよ。
 一つだけ、貴方に力を貸し与えるとしましょう」

「これはあなた自身。
 心に秘めた“もう一つの自分”……」

「ですが、これはあなたの一部のそれでしかない……本当にそれを自分の力としたいのならば、受け入れることです」

「何を受け入れればいいのか?
 それは、もうあなたの中で答えが出ているのではないですかな?」

「では、お行きなさい。
 あなたの行く道に幸あらんことを願っております」











































我は汝、汝は我



双眸を見開きて、今こそ発せよ





「ペ」

「ル」

「ソ」

「ナ」


































ようやく更新です。
かなり頑張りましたが、完全に何言ってんのお前って感じ。
申し訳ありませんが今しばらく付き合いください。

第六話 介旅初矢の奇妙な冒険 前篇

「う……!」

介旅初矢は背中に感じる痛みに目を覚ました。
先ほどまで、自分は多重能力者(マルチスキル)のレベル5と戦って……いや、あれは嬲られていただけではないか。
あたりを見回す。
白い霧が辺りを包んでいて、まったくと言っていいほどに周りが何も見えない。

「ここは……あれ……?
 バッグ……?」

そこにあったのは自分が抵抗するためにアルミ製品を詰め込んだバッグだった。
スプーンひとつでも結構な威力の爆弾となる今の彼の能力は、この得体のしれない世界の中で、とても頼れる存在だった。

「入ってきたなら……出口があるはずだ」

誰に言うでもなく、自分が信じたいがために口に出す。
願わくば、何事も起こらぬままここから抜け出せるように。







































そんな願いは、次の瞬間塵と消えた。

「ひっ……!?」

黒と桃色の縦縞の模様が白い霧に浮かぶ。
目のない口。
なんとも形容しがたい異形が、五匹。
こちらを見て(?)舌なめずりをしていた。

「な、なんだあれは……?」

明らかに敵意をむき出しにこちらを見て(?)いることは、彼にもわかった。

「く、くそっ!」

対抗するためにスプーンをバッグから取り出した。
彼の能力である量子変速(シンクロトロン)は、簡潔に言えばアルミを爆弾に変える能力である。
本来ならレベル2の彼には、アルミを爆弾に変えるほどの力はない。
しかし、レベルアッパーでレベルを上昇させた今、彼はレベル4ほどの力を持っていた。
化け物の強さは不明だが、その力さえあれば退けるくらいは可能なはずである。

「喰らえ化け物ォ!!」

スプーンが宙に放られると、化け物の額(?)に当たり、そして爆発。
初矢は油断せず、さらにスプーンを煙の中に投げ込んだ。
一つ、二つ、三つ、四つ、五つ。
最終的に、十三のスプーンを投げ込み、爆発させた。
言わずもがな、それだけの爆発に耐えられるはずがなく、煙が晴れた場所には化け物はいなかった。

「……ふぅ……」

安堵の溜息をつく。
焦ってしまったが、ここは性格な居場所も見当つかない異世界のようなものだ。
アルミが都合よく落ちているとは限らない。
まだまだあるにはあるが、少し節約しなければ。
先ほどのような化け物が出ないとは限らないのだから。

「にしても、霧が濃いな……目の前が見えない……」

目を細めると、建物が見えた。
白い壁に、相当大きな建物のようだ。

「ここは……?」

キョロキョロとあたりを見渡すと、どうやら学校らしいことがわかる。
だが、奇妙なことに気づく。
ここに、見覚えがある。

「そう、毎日。
 ほとんど毎日ここを見ている……?
 なんだこの奇妙な感覚は……」

既視感。
まったく知らないはずの異世界で、彼は既視感を感じていた。
見たことがあった。この正門も、床も、下駄箱も。

「ここ……は……」

正門に入り、導かれるかのごとくふらふらととある場所を目指す。
それは、校舎裏だった。

「ハァ……ハァ……!!」

頭が、警笛を鳴らす。
ここに行ってはいけない!危険!危険!危険!
だが、足は止まらない。
そしてそこにたどり着いたとき、介旅初矢は自分を見た。

「……なんだこれは……」

横たわる自分の姿。
そばに落ちる空の財布。

「なんだよこれはぁっ!!!」
『……憎い』

どこからか聞こえる声。
いや、元はわかっている。
この自分の声で、自分が喋っている。
目の前の、自分が。

『憎い……なんで僕を助けてくれないんだ……先公も、“風紀委員”も……。
 所詮、弱いだけの屑だからか……?
 クラスメイトも、そこらにいる学生も……なんで……』

自分の思考。
何故、何故助けてくれない。

『弱い……僕は弱い……』
「ち、違う……!」

ゆっくりと立ち上がる自分。
目の前の自分に恐怖を覚えた。
これはなんだ。
違う、違う。
僕は弱くなんかない……。

『そうだろ?
 僕を守ってくれないものなんか、いらない。
 弱い僕を守ってくれよ、頼むよ。
 やさしくしてくれよ……皆、僕を守ってくれよ……』
「違う!違う!!僕は、弱くなんかない!!
 レベルアッパーで、強くなったんだ!!
 誰にも負けないくらい!!」
『いいや、弱いさ……肝心な部分で逃げる。
 あのマルチスキルにだってそうだ。
 途中で力のせいにして逃げたこと、僕はちゃあんと知ってるさ……。
 弱いってわかってるんだ。
 だって、お前は僕で、僕はお前なんだから』

にたにたと、目の前で笑う自分。
本当にこれは自分なのか。
いや、それはどうでもいい。
問題は、自分の姿で自分を弱いと貶める自分である。

「黙れ!」
『僕は弱い』
「黙れ!」
『お前は弱い』
「黙れ!
 もう僕は昔とは違うんだ!!
 お前なんか……!
 



















 お前なんか僕じゃない!!!

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第五話 セブン○レブンのトンテキ弁当うまかったけどなくなっちゃったね

あ、幼女!
こっちにはショタだ!
ウホッ♂いいおと……ないわー……。

「うー、トイレトイレ~」

あれ、あの人どっかで……?












第五話 セブン○レブンのトンテキ弁当うまかったけどなくなっちゃったね













さて、今日は上条さんをストーカーしてるよ!
嘘!セブンスミストに向かってます。
ちょっと新しく出たらしい落語CDを買いに来たんだ。
三代目仮面亭鬼太郎っていうんだが……そいつの古典落語『樽太露守』ってのがなかなか面白くてな。
っていうかこいつみたことあるような……。

「お、ラグナ!
 奇遇だな?」
「ん?そのウニ頭は……上条さん!上条さんじゃないか!
 いやぁ懐かしい!三十分ぶりだね!」
「お前の時間の感覚どうなってるんだ」

ちょっとしたジョークに決まってるじゃないか。

「おにーちゃん、この人お友達?」
「おう、上条さんの友達ですよ」
「始めまして名も知らぬロリっ子よ。
 僕はラグナ。ところでやらないk「そげぶっ!」ブルォ!!」

ずざざざざーーーーz________!!!!

「何をするんだ上条さん」
「いや、ちょっと危ないと思ったから……」
「赤いおにーちゃん大丈夫?」
「ありがとう、大丈夫だよ」

近付いてくるロリっ子の頭を撫でる。
そういえば、俺が死んだ日もこんな感じだったな……。

「ラグナ、そういえばお前これからセブンスミストだよな?
 えーっと……確か落語のCDだっけ?」
「え?あ、あぁ、うん。
 上条さんも?」

俺とした事が感傷に浸ってしまった。
もうあの世界には戻れないんだから……ま、こっちも楽しいし……。

「いや、この子が道に迷ったらしくてな。
 とりあえず引率」
「おー、上条教論」
「どーもどーも」


















と、言うわけで俺も引率に入れてもらいました。

「はい、このプリント回してー」
「たのしみだねー」
「うん、楽しみだな」
「はい、そこおしゃべりしないー」
「アンタ達何やってんの……?」

リアルに引率の先生っぽくやってたら御坂さんにはち合わせてしまいました。
あれ、その手に持ってるのは……。

「パジャマ?」
「っ!?」

あ、大慌てで隠した。

「あー!すっごくかわいいパジャマー!」

そして幼女が奪い取ったのはとても可愛らしいパジャマ。
やっべ、普通に可愛い奴じゃん。

「どう思う上条さん」
「は?何が?」
「あれだよあれ」

そういって顔を真っ赤にする御坂さんを指さす。
あらら、あれが俺や上条さん、黒子くらいだったら電撃打てたんだろうけどね。
幼女にはうてねーやな。

「どうって言われても」
「ま、貴様には分かるまい。
 そして彼女にも」

今はな。というのは口の中に飲み込む。

「そういや御坂さんは何故ここに?
 そのかっわいらしーパジャマを買う為かい?」
「べ、別にこんなの買わないわよ!
 あんたたちこそなにやってんの!?」

どうやら憤慨している様子で詰め寄ってくる御坂さんに、上条さんが説明している間に、幼女を肩車。

「あはは、たかいたかい!」
「ふっ、まだまだ甘く見るな!
 ええいっ!ラァグナッ・トルネェェェェェドッ!!!!」

効果:回転します。

「あはははははー!!
 ぐるぐるー!!」
「ふはははははははは!!!
 楽しかろう楽しかろう!俺も楽しい!」

幼女いい匂い!!

「おいこら」
「すいません」

おこられちった!


























「そんな殴らんでもよかと……」
「殴らにゃおまえは犯罪者だ」

上条さん……超BADだぜ……!

「あれ、御坂さんと残り香にあった左天さんと初春さんは?」
「おま、残り香て……なんかあったみたいでな。
 駆けだして行ったぞ?」
「面白そうなんでいきませんか?」
「キラキラすんな」

しょうがないじゃん。
そういう性分なんだぜ?

「こうして彼は、今日もまた行く先々でフラグを乱立するのであった……」
「何の話だ?
 ってかあの子どこいった?」

あれ?


































連続爆弾魔の標的。
それは“風紀委員”であった。
“風紀委員”白井黒子は焦りを隠しもせずに自分の相棒でありながら友人でもある初春飾利に連絡をとる。
一刻も早く友人にその身の危険を知らせなければならない。
その一心で携帯を手に取り、初春の電話番号を押す。
かかるまでの時間でさえ惜しい。

『はい、初春です。
 一般人の避難、完了しました!』
『はい、ラグナです。
 好きなものはいちごみるくと幼い子供です!』
「好きなものはお姉様です!
 って何を言わせるんですの!?」

いきなり乱入して来た男の声により、何故か変な方向へ誘導されてしまう。
そんな事をしている場合ではないが。

「初春!今すぐにそこを離れなさい!!」
『うん、そうだよー離れなさいー。
 爆弾魔の狙い、君だからねー』
「なんで知ってるんですの!?
 っていうか、あなたどうやって回線に割りこんでるんですの!?」
『skypeで会議通話』
「スカイプ!?」

色々と突っ込みどころはあるが、この際無視する。

「いいから早くそこを離れて!
 過去の事件の統計から、爆破地点周辺の“風紀委員”が狙われているのは明白!
 初春!貴方が今回のターゲットですの!」
『こちらラグナー初春さん視認しましたー』
「あぁもう!わかりましたわ!
 この際もういいからとっとと初春連れて逃げて下さいな!」
『いやいや、そうもいかないんですよこれが。
 上条さんは自分の生徒を見殺しにはできない紳士なんでして』
「貴方も居るんですか!?」

何が何やら。

「いいからとにかくそこをh『む、幼女ハケーン!!』『確保ですよ!!』聞きなさい!」

話を聞かない馬鹿二人は置いておいて、初春に退避しろと念押ししようとしたその時、通話が途切れた。

「う、初春!?
 初春!!」

直後、盛大な爆発音が響き渡った。






















































「おにーちゃーん!おねーちゃーん!」

幼女……いや、彼女のことを考えて少女としよう。
この年頃の子は、大人ぶりたいものなのだ。
少女が抱えているのはブサイクな蛙のぬいぐるみ。
それを抱えて、嬉々として向かってくる様子はほほえましいと言える。
しかし、ラグナは確信している。
これが、“虚空爆破事件(グラビトン事件)”の犯人、介旅初矢による爆弾だと。

「メガネをかけたおにーちゃんが、おねーちゃんに渡してって……ふぇ?」
「ちょっとごめんよおじょーちゃん」

故に、わかっているものは止める。
この少女を危険にさらすわけにはいかないし、初春飾利を危険な目に遭わせるわけにも行かない。
女の子には優しく、ショタにはフレンドリー。幼女には紳士的に。
フェミニストで、変態。ロリコンでショタコン。
それがラグナ・トゥレイトという人物だった。
上条と美琴がたどり着く前に、ラグナはぬいぐるみをかっさらう。
放り投げた瞬間に、ぬいぐるみは収縮をはじめる。
爆発の兆候だ。
それを見るが早いか、ラグナは合掌。

「“スペードの10”」

彼は中二病である。
なんというか、痛々しい妄想等をするのが好きだった。
オリジナルの能力を考えてイラスト化したのもその一環だった。
その結果、多数の能力を生み出すことになった。
その内の一つで、本人の黒歴史確実なものが、10の番号を与えられる。(と、勝手に設定した。丁度四枚だったし。)
恐らく中二病の皆様も想像したことがあるであろうその一つ、オリジナル斬魄刀。

「成れ、足軽歩兵(あしがるほへい)」

手元に現れた細身の刀を振ると、刀身がバラバラになっていく。
その刀身が取る形は、将棋の駒。
“歩兵”“香車”“桂馬”“銀将”“金将”“飛車”“角行”と刻まれた幾多の駒が、ラグナの周囲を回転していた。
そうこうしている間にも、上条と御坂がこちらに到着していた。

「にっ、逃げてください!あれが爆弾です!!」

そう叫ぶ初春は、少女をかばうように爆弾に背を向けている。

「くっ!?(超電磁砲で爆弾ごと!!)」

御坂が爆弾を吹き飛ばそうとしたらしく、コインをポケットから取り出した。
しかし、コインは御坂の手から滑り落ちていった。

「(しまっ!?)」
「ラグナァ!!援護!!」
「穴倉(あなぐら)」

周囲を回転している駒たちが消失すると同時、その場にいた上条を除く全ての人間を巨大化したコマが囲うように出現した。

「ちょ、あいつはどうすんの!?」
「目、つぶってな」

ラグナがそう言うと同時に、御坂美琴の視界は激しい光に覆われた。






















介旅初矢……確か、あいつはいじめにあっていた。
で、学園都市の秩序を守るってんだから俺のことも助けてくれたっていいじゃないかとか、助けてくれなかったからとかいうあれで逆恨み……っていうのか?
それでジャッジメントを狙ったんだっけ。

「いやー、わからなくもないかな」
「だ、誰!?」

俺もいじめられた経験はあるしね。
能力の差がどうのってか、太ってるとか太ってないとかでさ。
当時の俺からしたらとんでもない恐怖だったけど、今考えてみると全然怖くない。

「介旅初矢君、今までの連続爆弾事件の犯人」
「な、何を言ってるんですか?
 ぼ、僕にはさっぱり……」
「いやぁ、僕ってほら、アレだから。
 マルチスキルみたいなもんでさ、いろいろあるんだよね」

そう、これが俺の“全手切札(ザ・ジョーカー)”のクラブの3。

「“真実教えて下賽(ダイス・オブ・トゥルース)”っていってね。
 賽の目次第で人の記憶を探れる能力」
「ま、マルチスキル!?
 な、なんでそんな奴が僕を!!」

困惑してるねー。
ってか、そんなのひとつしかないよね。

「勿論、お仕置きしにだけんども」
「……っ!
 くそっ!」

スプーンをいきなり取り出して投げてきた。
なるほど、確かにスプーンで爆発させられるなら中々いいよね。
不意打ちもできるし。

「“棒銀”」
「な!?」

まだ出していました俺の足軽歩兵。
銀将が二つ。彼の手元のスプーンを弾き飛ばす。

「いやいや、よくわかるようん。
 僕も昔いじめにあっていてねぇ……」

頷きながらもバッグを飛車と金将に回収させる。
ありがとう。

「な、何がわかるってんだよ!!
 力があるやつになんか分らない!!
 いつもそうだ……!何をやっても力でねじ伏せられる……!」

そうやって立ち上がる初矢。
手近にあった空き缶を拾って、投げつけてくる。

「怖いよねぇ、いじめって。
 金を取られるなんて前時代的だけども。
 大体一周回って古いんだよねこの町」

空き缶に向けられる能力の波導を操作する。
その波導は本来ならありえない俺の足元に。
空き缶はからんと音を立てて落ちた。

「な、なんで……っ!?」
「カツアゲってのは俺されたことないなぁ。
 第一、俺がいじめられてたのって小学生の時だからさー」

彼がガクッと膝をついても、まだ俺は話し続ける。

「でもさ、やっぱりあれだよ。
 こわいんだよね、そういうのって。
 わかる?その当時ってくだらないことで泣いたりしたじゃん?
 記憶にないかな?」
「殺してやる……!
 お前みたいなのが悪いんだよ!!」
「ねぇ、話聞いてる?」

ねえちょっと。
いや、叫ぶのはいいんだけどさ。

「ジャッジメントだって同じだ!!
 力がある奴は皆そうだ!」
「えー、マジでこの子話聞いてくれないんだけど」
「マルチスキルなんて逸材だ……お前だって俺を見下してるに決まってる!!」
「そうだね。
 見下すよ?」

だってそうだろ?

「今、君僕より身長低いし。
 見下すのは当たり前だろ?」
「そ、そう言う意味じゃないだろ!?」

いや、だってさぁ。
そうじゃん?ね?

「まぁ、ぶっちゃけ僕がここに来たのって面白そうだったからなんだよね。
 爆弾魔の顔を見てやろうと思ったんだけど、もう終わっちゃったしなぁ……」

介旅さんイケメンじゃねえか。少なくとも前世の俺より。

「なんかムカついてきた……。
 君、力がほしいんだっけ?」
「は?」
「だったらくれてやろうか?
 ちょっとした力ってのをさぁ」

答えは聞いてないけどね。

「“ダイヤのA”」
「え?
 な、なんだこれぇっ!!?」

介旅の足元がゆがむ。
足が、体が。
ずぷりと沈み込んでいく。

「“マヨナカテレビ”」
「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」








































「さて、最後に……」

バッグを持ち上げる。
中にはアルミ製品がいっぱいだ。
中に放り投げる。

「その能力で生き残ってごらんよ。
 そうすりゃ、力が手に入るはずさ……時間制限はあるけどね」

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Author:めたるみーと。
アニメやゲームのキャラを自分の子供に勝手に認定するめたるみーと。(フリーター)です。
嫁?なにそれおいしいの?

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