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切り裂き美容師

「そういえばさ」
「はい?」

趙雲、星はメンマをかじりながら、現主たる劉備、桃香の傍らに立っていた。
劉備は、書類に次々署名し、次の書類へと手慣れた動きを見せている。
ここにきて、この仕事にもずいぶんと慣れてしまった。

「星ちゃんの髪、気が付いたらちょうどいい長さになってるよね?
 しかもなんだか綺麗に見えるよ」
「そうですか?
 それはいい、アイツも喜ぶでしょう」

褒められた事に対し、少し嬉しそうにはにかむ。
だが、桃香は彼女の一言に少しばかり違和感を感じた。

「アイツ?」
「えぇ。
 ご存知ですか?少し前に出来た髪結い床を」

その噂を、桃香は確かに聞いていた。
武人の女にはかなり人気だという髪結い床だが、かなり不気味な店だという。
そして、悪いうわさも一つ。

「もしかして、“しざあはんず”のこと?
 え、あそこって結構悪いウワサが立ってるよ?
 なんでも髪を切った後、その髪を食べるとか……」
「あぁ、その話は本当ですよ?」
「へ?」

なんでも、彼女はそれを承知でそこに、しかも通っているらしい。
他のお客も、武人故に髪を食われ様が何だろうが気にしないのだという。
要は戦闘を行う上で邪魔にならなければいいと考えているのだ。

「確かに奇妙な奴ですが、腕は確かです。
 それに、武人としての武もなかなかにある。
 話してみると、面白い奴ですよ」
「そ、そうなんだぁ……」

苦笑いを隠せない。
自分の髪を食われて、それで平気なのだろうか?

「おや、そういえば桃香様も少々髪が伸びておられますな?」
「え?」
「行きませんか?
 シザーハンズへ」

星はにこやかに言った。































「いらっしゃいませ……ん?
 これは、趙雲殿。
 髪はこのあいだ切ったばかりでしょうに」

星に連れられた桃香は、怯えながら星の影に隠れていた。
店に、人気はなかった。
店内に居たのは、一人の痩せた男。
腰の小物入れに鋏を何本も何本も刺し、右端に一つ木で作られた櫛が差し込まれていた。

「いや、今日は違う。
 私では無く、こちらの方だ」
「?
 おや、その後ろに居るお方……かの劉備様ですか?
 お噂はかねがね……。
 これはまた……厄介なお仕事だ」
「お前の偏食の方が厄介だろうに、何をいまさら」
「はっは、違いない」

星と話している姿から、少し悪いイメージが和らいだものの、やはり怖いには変わりない。
人の髪を食べるのだから、それはやはり奇妙で恐ろしい。

「さて、劉備殿。
 俺の名はビノールト。字もなく、姓も無い。
 いわば、このビノールトというのが名前です。
 好きに呼んでくれて構いません」
「え?
 でも、それじゃあ……真名を呼ぶ事になっちゃいます……」

桃香は戸惑う。
昨日今日会った人間に、真名を渡すなど、考えられなかったからだ。
困った様子で趙雲を見ると、にこにこ笑いながらこう言った。

「そやつは異国の物でね。
 真名の無い国から来たそうでして、本人も気にしていないようですから。
 呼んであげて下さい」

それにますます困惑する。
しかし、本人も穏やかな(少し怖いが)笑みを浮かべているので、とりあえず。

「じゃあ、ビノールトさん……よ、よろしくおねがいします……」
「はい、承りました。
 では、こちらのお席にお座り下さい」

任せる事にした。





























































一言で言うと、彼の腕は見事なものだった。
まずは要望を言う。
少し長くなっただけなので、短くするだけで良いというと、テキパキとした動きで髪を切っていく。
その手際には、おもわず見とれる程の美しさがあった。

「美しい髪をしている。
 この国の女性は皆美しく、髪も艶やかで綺麗だ」
「あ、ありがとうございます」
「それでは、髪を切る間、少しばかりお話でも。
 退屈なさるといけませんからね」

それは、とある遊戯の話であった。
何百人何千人と挑戦した遊戯。その遊戯を達した物には、魔術の籠った札が三枚贈られるという。
死者に手紙を届けてくれる手紙、金粉を出す少女、一国の王になれる権利が与えられる札もあったという。

「あはは、すごいですねそれ。
 他にはどんなものがあったんですか?」
「そうですね、城程の大きさのひとつ目の巨人やら、泡を吹く馬とかですかね?」
「なんだか楽しそうですね」
「ま、戦いの遊戯だったので、しっかり死ぬときは死ぬんですけどね」
「え、ほんとですか……」

話はとても面白い。
巨大な蜥蜴、呪文を放つ札、そして、戦い。
中でも、切り裂き魔と二人の少年と一人の年齢詐称少女の話は見事だった。

「はい、お疲れさまでした」
「あれ、もう終わりですか?」

時が過ぎるのはあっという間である。
気が付けば、桃香の髪は見事に整えられていた。
まぁ、整えるだけなのでそんなに変わりは無いと思うのだが、心なしか、さっきよりも可愛くなった気がしたのだ。

「ありがとうございました」
「いえ、それでは少々申し訳ありませんが、髪の毛、いただきますね」
「あっ!」

ビノールトは、いつの間にか持っていた桃香の髪の毛の束を口に放り込んだ。
くちゃくちゃと咀嚼音が鳴る中、驚く桃香。

「(ほ、本当だったんだ……!)」
「で、どうなのだ?
 劉備殿は」

星がビノールトに問う。
ビノールトは何かを確かめながら、続けざまに口に髪の毛を放り込んでいく。
そして、一定の量を食い終ると、大層満足げに言った。

「うまい。
 ですが、少々気になる点がいくつか。
 働き過ぎです。ずいぶんと身体に疲労が残っている。
 少しお休みになられた方が良い。
 そしてやはり、武はあまりないようだ。
 だが才はある。鍛練すればそこそこの使い手となるでしょう。
 肉は……そうですね、少し運動不足ですかね」
「ふむ、やはりな」

桃香は何の事か分からず、ただ茫然としている。
その様子を見たビノールトは、苦笑いをした。

「これは……俺の力です。
 髪を俺の愛用のはさみで斬り、食う事で、その相手も知り得ない身体の情報を知ることができる。
 病気の有無、肉質、強さ、その他もろもろ」
「ここは、髪結い床ではありますが、実際は髪結い床をかねた医者のようなものなのですよ。
 こうして髪を食わせれば、自分の身体の異常を確かめる事ができる。
 故にここの実態を知る者は皆、自分の身体の状態を確かめに来るのです。
 中にはコイツに髪だけ食わせて自分の身体を調べさせるものも居ます」

桃香はさらに驚愕した。
なんの妖術の類だろうかと疑いもした。

「これを見ると、妖術の類ではないかと色々いう人がいますがね。
 常連さん達が色々弁護してくれるおかげで、うちはやっていけるんです」

ま、食費はその時の髪を食べれば行く分うきますから。と笑うビノールトに、桃香も思わずクスリと笑う。
そうだ、彼も人間だ。
ちょっと偏食なだけで、人間だ。
ならば、私達の守りたい人間じゃないか。

「あの、ビノールトさん」
「はい、あ、気味が悪かったら言ってください。
 俺自身もちょっと気味が悪いと思ってますから」

そう、自虐気味に笑うビノールトに対して、桃香は答えた。

「また、来てもいいですか?」
「…………えぇ、かんげいしますよ劉備殿」















































HUNTER×HUNTERより 賞金首(ブラックリスト)ハンタービノールト





























ビノールトさんの好物は人間の肉ですが、この世界に来た事で改心なさったようです。
いまは、肉まんが好物です。
それにしても改心しすぎ。 
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そういえば

朋也の誕生日。
過ぎてしまいましたね……。
ブログに書けばよかったんですが、最近はちょっとバイト探しに奮闘してまして。
ちなみに受かりました。
セブンイレブンの店員さんになります。

バイトの面接に行ってまいりました

近所のセブンですね。
しかし、受かるかどうかは月曜日にならないと分かりません。
受かっててお願い。

お寒い折、ようこそお越しくださいました

寒いですねぇ……。
昔は半袖でも充分外を歩き回れたもんですが……私も年ですかね……。
父なんかはいつも下着一枚で飯を食ってたりしますけれども、あれは夏だから出来る技だと、私は思いますね。えぇ。
冬にやっちゃいけないんです。
だから視覚的な意味で持って、さむーくなっちゃうから。
母にも言われましたよ昔。

「あんた見てると風邪引きそうだよ俺」

小中と、春夏秋冬24時間365日半そででしたからねあのときは。
今にして思うとそりゃそうだと思いますが。
かなり寒さに対する耐性が無くなって来てます。
地球温暖化とかウソだろコレ?と、思いながらね。
皆様風邪などこじらせぬよう、用心して日々をお過ごしください。
プロフィール

めたるみーと。

Author:めたるみーと。
アニメやゲームのキャラを自分の子供に勝手に認定するめたるみーと。(フリーター)です。
嫁?なにそれおいしいの?

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