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ただただぎゅっとされる話

夏。
そう、夏だ。
今年もくそ暑いこの季節がやってきた。

「うだるような暑さに、どうやら春原の真の姿が「真の姿は今眼前にあるこれだよっ!?」え、ちがうだろ。
 だって妖怪だし」
「ちがうわっ!!」

目をくわっと開いてツッコミを入れる目の前の妖怪。
金髪で、およそ人とは思えない外見をしている」

「人だよっ!?」
「え、マジで?」
「なんで意外そうな顔してるんですかねぇ!?」

ま、冗談はさておいて。
今年もまたこの季節がやってきてしまった。
演劇部は惜しくも部活とはならず、しかし、古河には少しばかりの友人ができた。
藤林姉妹は日々女子で楽しく過ごしながら夢に向かって邁進している。
俺はといえば、この妖怪春原と毎日バカをやる日々である。
いや、一応やることはあるといえばあるのだが。

「で、今日は放課後どうする?
 ボク、金ないよ」
「俺だってないよ。
 こないだ使っちまった」
「あの鬼が僕の金をカンパと称して巻き上げたせいさ……畜生……」

涙を目元に浮かべて、講義の目線をこちらに向けてくる。
俺に向けられても困る。

「第一、お前は了承しただろ。
 可愛い女の子の手料理が食べられるからカンパしろって言ったら、お前、いの一番に飛びついたじゃないか」
「うっ……それは……!
 ま、まぁ美味しかったからい、いいかなーっ……はははっ」

睨みつけると、目を泳がせる。
俺にビビってどうするんだコイツは。

「で、ほんとに今日どうするの?」
「残念だが、パス。
 今日は金曜日だって。
 お前、曜日感覚ないのな」
「あ、ほんとだ。
 っていうか岡崎、お前がうちのカレンダーゴキブリ叩くのに使ったからだろ!?
 なんでわざわざ画鋲で貼り付けてあるのを使うんだよ!あんときお前、手にちょうどいい雑誌持ってただろうが!!」
「まだ読み途中だったし」
「随分自分勝手な理由っすね!
 しかもそのあと、画鋲なくしてそのままにしただろ!
 床にそのまま落ちてて、危うく足に穴が開くところだったじゃないかよ!!」
「大丈夫大丈夫」
「…………」
「…………」
「何もないのかよっ!」

逆にコイツは何かあるとでも思ったのだろうか。

「とにかく、俺は今日はいけない。
 いつものだよ」
「へっ!
 彼女持ちはいいね~。
 どうせ、家でもイチャイチャしてんだろ?」

何やら意味ありげな表情で聞いてくるが、別にどうということはない。
普通のことだ。

「当然だ。
 お前では考えつかないことをたくさんしてる」
「マジ!?」
「おっと、そろそろ行かないと。
 じゃ、俺は愛しの彼女のもとへと行くとするか」

すっと立ち上がり、そのまま教室を出る。
後ろからは、春原の叫び声が聞こえる。
そんなに悔しがるなら聞かなきゃいいのに……そう思わざるを得ない。






































「あ、朋也くん、こんにちは」
「あぁ」

待ち合わせ場所はいつもの図書室前。
一ノ瀬ことみ。俺の彼女だ。
学校に一緒に登校したり、昼飯を一緒にとったりはしているが、下校は、一日おきだ。
なぜかというと、ことみにもことみの交友関係があるからだ。
月曜日は俺。火曜日は古河と藤林姉妹。水曜日俺。木曜日クラスの友達。金曜日俺。
ちなみに火曜日のやつは俺と一緒に帰るときに混ざってくるときがある。
ことみが楽しそうだから別にいいけど、ちょっとくらい気を使ってくれても……まぁ、気を使ってくれている方なのだろう。

「今日も暑いの~……」
「そうだな……水分、取ってるか?」
「うん、問題ないの」

はい。と、渡されたのは水筒。
なるほど、どうやらこれで水分補給を行っていたらしい。
はいとくれたからには、くれるのだろうか。

「ん、サンキュ」

そういうと、ごくごくと飲む。中身は麦茶のようだ。
氷は結構溶けていて、小さい氷が少し口に流れ込んでくる。
キンキンに冷えた麦茶が、喉を潤す。

「ふぅ、うまい」
「あ、あ……」

ふと見ると、急激に顔を赤らめて停止する恋人の姿。
どうしたのだろうと手元を見てみると、そういえば半分くらい量が減っていたことを思い出す。
つまり、これはことみが飲んだあとの水筒だということだ。

「ははは……ことみ、間接キスなんて、今更だろ?」
「……むー!」

そう笑って言うと、柔らかそうなほっぺたを膨らませてこちらを睨んでくる。

「そんなに睨んでも可愛いだけだ」
「っ!」

ぽかぽかとパンチが飛んでくる。
真っ赤な顔はそのまま、可愛らしいパンチである。

「ふははは、きかん」
「む、ならこれなの」

急にパンチを辞めると、今度は急に抱きついてくる。
ぎゅっと、力を込めて俺の体を抱きしめる。
その豊満な胸がむにゅりと形を変えて押し付けられる。
この技は、鋼鉄ことみちゃんのことみブリーカーか。

「おいおい、暑いぞことみ」
「知らない」
「はぁ……まったく」

仕方ないと、抱きついてくる彼女を抱きしめ返す。
「ふぇ」と、声が上がるが、この際無視。

「と、朋也くん。
 暑いよ……?」
「あぁ、暑いな。
 でも、ことみに抱きついていられるなら、この暑さもアクセントだ。
 嫌いじゃない、むしろ好きだよ」

汗の匂い嗅げるし。というと、まるで顔から火が出るみたいに顔を赤らめる。
何回赤らめるのやら。

「か、かいじゃだめ……」
「だめか?」
「……その、変なにおいだと、思うから……!」
「全然そんなことない。
 むしろ、すごくいい匂いで、落ち着く」

図書室の前でいちゃつくバカップル。
なんとはた迷惑な存在だろうか。
でも、なんでか止まらない。ぎゅっと抱きしめる。

「あの、朋也く……」
「何?」
「あ……その……」

なんだ?と、抱きしめながら、聞く。
すると、ことみは俺の体をさらに力を込めて抱きしめて、顔を俺の体に埋めた。

「……わたしも、朋也くんの匂い……好き」
「……なんか、恥ずかしいな」

結局、帰路に着いたのは午後六時。
翌日、昨日の俺たちの行動を杏に散々からかわれたことみが、俺に泣きついてきたのがとても可愛かったと言っておく。



















































暑さで錯乱して書きました。
ことみちゃんの汗の匂いを今すぐに用意しな。
エンドレスサマーにしてやるぜ(錯乱)
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アニメやゲームのキャラを自分の子供に勝手に認定するめたるみーと。(フリーター)です。
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