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三十三話

次元航行艦アースラ艦内に、戦慄が走った。
それは、休暇中(実際は有給扱いであることを彼らは知らない。というかアースラを私用している時点で艦長及び執務官艦長代理は気付いているので現場待機のようなものであると上には説明している)の彼らを一気に現場の空気に戻すほどの衝撃であった。

「艦長!魔力反応です!」
「映像は?」
「今、海鳴市に待機させていたサーチャーを反応があった場所へ回しました。
 映像、出ます!」

艦内に大きなスクリーンが映し出される。
そこに見えるのは、破壊された結界。そして、炎を纏う白き閃光であった。
崩れゆく結界から現れたのは、赤いドレスのようなものを纏った鎚を持った少女と、身の丈の二倍ほどもある巨大剣を背負い、炎を身に纏う金髪の少女。

「何者だあの子たちは……」

クロノがその表情を歪ませながら独り呟いた。
魔力量、そして、散らばる白い焔が夜に幻想的な景色を作り出す。
しかし、その二人の表情は険しいものになっている。
それもその筈だ。彼女たちは執務官である彼を凌ぐ高速戦闘を繰り広げていたからだ。
さらにそこにエイミィの言葉が飛んだ。

「結界内になのはちゃんの反応を察知しました!
 衰弱しています!」
「なんだと!?」

クロノは驚愕した。
確かにあの少女はまだ魔導士となって数か月の素人であったが、持ち前の才能と魔力量、そして根性で、並大抵の相手には負けることすらないはずだ。
その彼女以上の相手が、この辺境の管理外世界に現れたというのだろうか。
だとしたら、この世界はなんてトラブルメーカーなのか。

「あ!?」
「今度はなんだぁ!」
「なのはちゃん、さらわれていきます」
「おォォォォォォォォォォォォォォイ!!!?」

どこいくねーん!と、とりあえず回収に向かわせた武装隊の声を背に、赤い少女はどこかに消え失せ、大剣の少女はなのはを担いでどこぞに飛んでいってしまった。
しかも、ありえないほどのスピードで。
あれほどのスピードではおそらく武装隊の中で追いつけるものはいないだろう。
いつでも出れるように待機しておけといっていろいろ準備していた隊の皆様の苦労が水の泡である。

「炎の翼に大剣の少女……赤いゴスロリドレス(?)のハンマー少女……どっちかでいいから探知できる?」
「赤い方はちょっと無理ですね。
 どうやら彼女、連続転移で行方をくらましています。
 おっきな剣の彼女は……ただ速いだけなので追尾は可能です」
「そう、じゃあ彼女を追ってちょうだい。
 なのはさんにもお話を聞きたいし……なにより彼女は異質の存在ね。
 転移しないところを見ると、この世界の住人のようだし……どうやってあの剣を手に入れたのか聞かなくちゃ」

リンディの経験上、あの剣はロストロギアに近いものがあると見ていた。
白い炎を発する純白の巨大剣。
恐らく、関わっているのは……。

「幽亜君、貴方なの……?」


武装隊は、既に少女を追跡し始めていた。
























―――――テスタロッサ家


「封鎖結界、かなりの威力の砲撃魔法、ベルカ式を使用する騎士甲冑らしきバリアジャケットを纏う少女たち、幽亜勇の失踪、管理局の介入、そしてアリサちゃんの魔道士化……」

プレシア・テスタロッサはモニターの前でぶつぶつと独り言をつぶやいていた。
モニターに映るのは数々の映像。
赤い少女の張った封鎖結界、それを貫く高町なのはのスターライトブレイカー、横たわる緑衣の少女と狼、桃色の髪をもつ騎士、管理局の武装局員、そして、プレシアの娘が以前に遊んだことのある少女、アリサ・バニングスが巨大剣と高町なのはを担いで飛んでいく姿。
傍らに控えるリニスもであるが、プレシアは心配そうに見ていた。
彼女は、大魔導師と謳われるその能力を遺憾無く発揮し、無数のサーチャーを街中にばら撒いていた。
どうにも、きな臭い匂いがこの街に漂っている。そう感じたからである。
そして、それがおよそ現実のものとなってしまった。
その結果が今現在街で起こっていること。
高町なのはを襲撃するベルカの騎士らしき少女。
現在お隣で生活しているはずのユーノ・スクライアを襲った二人組の男女。
プレシアの情報によれば、昨今次元世界で魔法生物が襲われる事件が起こっているという。
彼女たちは、それに関わりがある。そして、幽亜勇にも。
それが、プレシアの見解だった。

「フェイトやアリシアにその手が及んでないというのが幸いね……」

本来であれば、城からの転移時に膨大な魔力を発したプレシアの方に矛先が向くことになるだろう。
だが、彼女らはそれをしなかった。ということは、自分を後回しにしているのか、それともただ厄介な存在としてみているのか。

「あの子は本当にどんな存在なのかしら」

彼女は幽亜勇に感謝を覚えると共に、怪訝な目を向けていた。
ひとつ、彼ほどの年齢の少年が、何故一人暮らしなどしているのか。
ふたつ、およそ人間ではありえない彼に内包される魔力量。
みっつ、その年齢では考えられない思考能力。
よっつ、常識では考えられないほどのレアスキルの多さ。
だが、そんな中でも二つほど気になることがあった。

それは、彼のデバイスと、彼の好かれ具合である。

彼のデバイス“アビス”と“イモータル”。
黒と紅の眼球のような耳飾り方のインテリジェントデバイスであるが、その機能は多岐にわたる。
独自で使用者の魔力を使用し、インプットされている魔法を放つ。そして食べたものをデバイスの中に存在する変換機構で魔力に変換する、所謂魔力のカートリッジをデバイス内の圧縮領域に保持。魔力を必要としないその変形、いや、変態と言うべきだろうか。双眼鏡から、日用品にいたるまで、ありとあらゆるものに変化する能力。
そしてなによりも、その人間臭さが一番の疑問であった。
本来、インテリジェントデバイスが彼らのように人間味を帯びた性格などが形成されるのには、持ち主との長い触れ合いと、時間。そして経験が必要なのである。
それを加味したとして、彼のデバイスは異常なまでに人間のような振る舞いをするのだ。
彼のデバイスの調整を、ほんの少しであるが任されたプレシアはその異常性を理解していた。

次に、彼のその好かれ具合。
アリサによれば、彼は同じ塾の生徒だったらしい。
それから、学校にはあまり来ず、塾にも時々来る程度だったらしい。
だが、そのクラスの生徒にはそこそこに一目置かれていた。
理由は、全くわからない。彼の得意教科の家庭科での料理スキルがあったとしても、そもそもの話学校に来ない人間をどうやって好いたらよいのだろう?
だが、それが実際に出来ている。彼はクラス内においてそこそこの評価を得ることに成功している。

「アリシアを治してくれたことには感謝してる……フェイトの友達であることも理解してる……。
 でも……」

幽亜勇は、一体何者で、何が目的で、そしてどんな存在なのか。
彼女の心に、疑念が生まれつつあった。













「ん?
 どうかしたん?」

「なんでもない?
 そう?そんならええんやけど……」

「みんな帰ってけえへんなぁ」

「……へへ、慰めてくれるん?」

「大丈夫、なんも心配しとらんよ」

「勇君も、みんなも、すぐに帰ってくるよ」

「だから私たちは待ってよ?」

――――な?闇の書?


闇の書は、ただ主の膝の上で待ち続ける。
魔力が貯まる時を。主の覚醒の時を。


























まぁつまるところ繋ぎ回ですね。
苦し紛れにこんなん書きました。

あ、そういえば私のこの小説の目次的なところにいっぱい拍手くれてありがとうございます。
35回とかきてました。
序盤を見返してみるとすごいですねこの作品。
いやーすごいなー。何がすごいって文章量がね。
一話とか二話とかすげえ少ないっすよ。
まぁここまで文章量多かった話なんてないですけど……。
しかも雰囲気がもう変わりすぎ!主人公がいないとこんなもんですかね?

いつになったら終わるかなぁ。
当分終わりそうもないですね。でも頑張りますよ!
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